フリップ芸科学身近にー大阪高校

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 こんな取り組みが、府立高校にも求められる。3月7日の読売新聞地方版に私立大阪高校の取組が掲載されていた。大阪高校の生徒が、8月に行われる関西万博の科学関連イベントに参加するのだ。手描きのスケッチブックを駆使し、身近な科学を”フリップ芸”のように親しみやすく解説する学習に取り組んでおり、この取り組みに注目した文科省が参加を呼び掛けたという。

 この取り組みの中心になっているのが、OBの中村秀仁京都大学助教である。「科学に関心が低い人にも働き掛けたい」と2023年度から開始した。生徒は学んだ成果をスケッチブックにまとめ、一人一人がイラストに吹き出しをつけたり、記述を付箋で隠したりして内容を予想してもらったりする工夫を凝らしている。この取り組みをした生徒たちは、
「固定観念にとらわれず、理解を深める大切さが分った」
「知識を答えるテストよりも主体性が向上すると感じた。言葉の壁を越えて科学の魅力を伝えたい」
と意欲を見せている。

 なかなか良い取り組みである。ネットで大阪高校を偏差値を調べたら、50を下回っている。決して優秀な生徒たちが集まる学校ではないことがわかる。それでもやり方次第でこのような取り組みができるのだと思ってしまう。素晴らしいことだ。創意工夫、学校の資源(この場合は、OBの中村助教)を活用して、探究的な取組が可能なのだ。こういう取り組みをしようという発想が府立高校に乏しいのではないか。だから、こんなことを言われてしまう。

宇都宮海星学園理事長の石川一郎氏談:
「大阪の場合は公立の教育が古いところがある。そういう面で、私立の方がいろいろ教育改革だとか施設がいいということで、私立の方が得だと。関西の方は『得だ』というところには動きが早い」
“高校授業料無償化”で誰が救われるのか 公立校は定員割れ増加のエリアも ひろゆき氏「高校が維持できない地域は20年後に滅亡する」(ABEMA TIMES) – Yahoo!ニュース

と。いくら、大阪府教育庁が「大阪の教育は優れている」と言っても、結果ははっきりしているし、大阪以外から見ると「大阪の教育は古い」と思われているのだ。私が現職で校長していた時も、私立高校の動きは早かった。探究的な学習をいち早く取り入れていたのだ。やはり、私立高校の方が「機を見るに敏」なのだろう。

今日、府立高校の願書締め切りだ。いったい何校が定員割れするだろうか。


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