読売新聞の教育欄「教育ルネサンス」に「学校を支える」シリーズが連載されている。12月5日は連載の最終回である。昨日と今日に紹介されていたのが、SP(スクールポリス)とSCC(スクールキャリアカウンセラー)である。いずれも、生徒指導、進路指導という学校の根幹にかかわる部分の専門家の配置である。配置されている学校の実践を読んでみると、やはり教員にはできない(または判断できない)ことに対する専門家の力が発揮されていると言えよう。素晴らしい実践である。
ところで、今回のこの「学校を支える」シリーズで紹介されていた様々な専門家は、今後の学校の在り方について一定の示唆を与えてくれているのではないかと思う。紹介はされなかったが、今では学校配置が当たり前になっているSC(スクールカウンセラー)、SSW(スクールソーシャルワーカー)、そして事務作業の支援員である。当たり前のことだが、学校は教育を担う社会装置である。日本の学校は全人教育をモットーとしており、海外に比べて学校が担う比重が大きいと言われていた。そして、近年はこの比重がますます重たくなっているのだ。これが様々な分野で専門家でもない教員の方にずしんと重たく圧し掛かって、教員の負担となっている。この教員の負担を専門家が肩代わりしてくれたり、アドバイスをしてもらえるならば、教員の負担は激減すると言える。この負担とそれに対応する専門家を整理すると、以下のようになる。
不登校問題や生徒の心のケアの心理面・・・スクールカウンセラー
子どもの虐待や福祉に関する面 ・・・スクールソーシャルワーカー
保護者の過剰な要求等の法律面 ・・・スクールロイヤー
生徒指導への対応 ・・・スクールポリス
進路指導への対応 ・・・スクールキャリアカウンセラー
事務的作業 ・・・支援員
である。これに加えて、IT分野の支援員が配置されれば、教員は学校本来の社会的任務である教育(特に教科教育)に力を注ぐことができる。近い将来、全ての学校でこのような専門家が配置されるようになれば、学校の姿は大きく変わるだろう。今回の「学校を支える」シリーズは、その萌芽を示唆してくれている。教育に予算を投じる必要性がますます重要になっている。
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