フィフィさんの意見に納得

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 土曜日の朝にテレビ朝日で「正義のミカタ」が放送されている。バラエティ番組なのか報道番組なのかよくわからないところもあるが、出てくる「先生」はその筋の専門家で、東京のニュースでは聞くことができない切り口で、世の中の問題を切ってくれるので見るようにしている。昨日のテーマの一つに、パレスチナ問題が取り上げていた。この時期、毎週取り上げられている。ゲストにエジプト出身のフィフィさんが出演していた。彼女は、歯に衣着せぬコメントで、気持ちが良い。同じアラブ人としてこの問題をどのように捉えているか、彼女が何を発言するか注目した。彼女の発言の趣旨は次のような感じだ。

1)スンニ派とシーア派の対立とか日本ではよく言われるが、宗教的な対立でイランとサウジが対立しているわけではない。金と利権の問題。
2)そもそも、イランはアラブ人ではない。ペルシャ人で話す言語も違う。このあたりの理解が日本ではあまり進んでいない。
3)昔は、ユダヤ人もアラブ人も仲良く過ごしていた。敬虔なユダヤ教徒ほど、イスラムに理解がある。アメリカでも敬虔なユダヤ教徒ほど穏やかに過ごしていて、私もアメリカにいた時には、彼らのコミュニティで暮らし、安定した生活をしていた。
4)ユダヤとパレスチナの問題は、シオニズムとシオニストの問題。ユダヤ教・イスラム教の宗教対立と捉えるのは、間違い。
5)日本は、石油で中東に依存していて、アラブの国々と問題を抱えているわけではない。また、欧米のように政界、経済界でユダヤ人の影響が大きいわけではない。
6)だから、欧米と一線を画して、人道支援をメインテーマにして、双方に自制を求めるという立場が良い。

なるほどである。このイスラエル・パレスチナ問題は、イギリスの帝国主義時代に端を発している。イギリスの2枚舌、3枚舌の外交の結果、揉めに揉めて今がある。また、欧米のリーダー層には、ユダヤ人の影響やキリスト教保守派の影響が大きく、欧米はどうしてもイスラエルに肩入れせざるを得ない。ところが、このような事情は日本にはない。日本にとって大事な国益とは、中東からの石油が安定的に供給されることだ。このように考えると、欧米と歩調を合わせて、ハマスを一方的に非難するのが良いのかと言えば、単純にそうとも言えない。確かに、今回行ったハマスの行為は、残虐なテロ行為である。許してはならない。イスラエルにも自衛権はあるだろう。しかし、そんなことを言っている以上に、ガザの民間人、それも女性・子どもたちの被害は、甚大だ。いや、甚大という言葉以上に、これはイスラエルのガザ地区への虐殺行為と言っても良いくらいだ。この問題に、日本の影響力というのは、どの程度あるか知らない。今後の情勢を左右するほどではないのは確かだろう。しかし、今、日本がすべきことは、双方に自制を求め、そしてガザの民間人のための人道援助を行うことだろう。この援助をパレスチナの人たちは、忘れない。

「日本は欧米とは違う」 このようにパレスチナの人たちが思ってくれたら、やがて日本の国益に結びつくと思うのだが、どうだろうか?


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