いい加減日本の移民政策を明確にしたら?

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 11月4日は、朝のニュースや新聞などで、日本で働く外国人の情報が目についた。まずは、NHKニュース。「クダラナイ発明」でグランプリを取った三重のプラスチック会社の話である。何かがドバっとでるアザラシのロボットを作成した。何がドバっとでるかというと七味である。従業員にインドネシアからの技能実習生が働いており、ランチにカップ麺を食べる時、二人で一瓶の七味を全部使うという。彼らを満足させる辛さになるまで七味の瓶を350回振らなければならない。3分程かかってしまい、麺も伸びてしまうのだ。そこで、社長が1回で350回分の七味がドバっと出るロボットを開発したという何ともほほえましいというか、面白いニュースである。インドネシアからの技能実習生も満足しているという。外国から日本に来る技能実習生との文化の違いを、何とかしようとした長さんの愛情が感じられるニュースだ。
 2点目は、新聞である。読売新聞の教育の欄に、放課後シリーズが連載されていた。最終回の今回は、日本で学ぶ外国人の子どもたちが過ごす放課後の様子が紹介されていた。日本語の勉強、学習の遅れを取り戻すための勉強など、様々な取り組みがなされている。社説にも夜間中学校の意義を強調する内容が掲載されていた。元々夜間中学校は、戦後すぐに義務教育を充分に受けることができない人のために開校された学校である。差別ゆえに、苦しい生活を強いられた被差別部落の人たちは、学校に通うことができないことが多かった。文字を充分に読むことができないために、大人になって苦しむ人たちがもう一度勉強するために通った歴史もある。この夜間中学校に、最近は外国人が多く通っているというのだ。日本で働くために日本語を習得するために夜間中学校で勉強している。

 そんな記事やニュースを見ながら思い出したのは、毎日出勤する時に出会う大勢の外国人の人たちである。それもインド系の人たちに出会う。最初は観光かと思った。職場の近くに難波八坂神社があり、巨大な獅子の神殿が外国人の観光スポットになっているからだ。私も一度どんな感じなのかと思って、この神社に行ってみたが、日本人は私だけだった。さて、このインド系の人たちの集団だが、確かに難波八坂神社の方向に歩いていくのだが、どうも観光客ではないのではないかと思い出した。それは、軽装であることと毎日同じ人たちに出会うからだ。おそらく、学校に通っているのではないかと思うようになった。日本語学校である。ネットで検索してもMAPには浪速区の学校は出てこないのであるが、求人で日本語学校教師を募集しているので、恐らくそうだろうと今は思っている。一時期、日本語学校の教師の資格を取得しようとテキストまで購入して勉強を始めたが、続けていればよかったと後悔している。

 兵庫教育大学の大学院で教育政策を学んでいるとき、社会教育の講座で浜松市でフィールドワークをした。テーマは、外国人への支援を社会教育でどのように行っているのかを調査するためである。ご存じのように浜松市には、ブラジルからの外国人労働者が多く働いている。浜松城のすぐそばの官庁街には、ブラジル総領事館まであるのだから。教育委員会に電話で問い合わせて、外国人への支援を聞いてみたが、特段何かをしているわけではない。外国人が多く居住している地域の公民館に聞いてみても、やはり特別なことはしていない。それで国際関係を取り扱う市の外郭団体に問い合わせをして初めて取り組みがわかった。ほぼボランティアでいろいろな取り組みをされていた。こんな状況で良いのだろうかと思いながらのフィールドワークだった。調査は、2017年のことなので、あれから取り組みが進んでいるかもしれない。そのことを期待したいと思う。

 もう、日本は人口減少が加速度的に進んでいき、労働人口は減る一方である。外国人労働者の力を借りなければ、日本社会が立ち行かなくなるのは、誰の眼にも明らかである。技能実習生制度もかなり緩和されてきたが、はっきりと移民政策を打ち出したらどうかと思う。ぼやぼやしていると、外国人が働く国として、日本は選ばれなくなるかもしれないのだから・・・。


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