読書推進月間②-図書館はホッとしたい場所?


 昨日(10月28日)に引き続き、全国学校図書館協議会の調査結果の分析の続き。「どんな図書館ならもっと利用したいですか?」というアンケート項目がある。その結果、小学生・中学生・高校生に共通してNo.1とNo.2に選ばれた項目がある。それは、
№1→面白い本がある。
№2→本や種類の数が多い
である。やはり図書館としての機能の充実が求められているのだろう。

 ところが、公立学校で図書館の図書購入に割り当てられる予算というのは本当に少ない。年に、何冊買えるだろう。そんな事情なので、私は校長の時にBOOKOFFで購入することを提案した。それも各クラスの図書委員も一緒にBOOKOFFに出掛けて購入してもらった。このやり方で、「面白い本」と「本の種類の充実」を低予算で解決しようとした。購入した本は、教室にも配置した。図書館が教室から近いことも利用が増える要因である。学校の作りで、図書館というのは割と不便なところにある。生徒達がよく利用したり、通ったりする場所とは違い所に配置されることが多い。なぜかわからないが。そこで、図書委員が購入した本を教室にも配置し、図書委員には「これならみんなも本を手に取るだろう」という本を選んでもらったのである。
 「ホッとする場所がある」が小学生や中学生の回答に多いことが気になる。高校生も割と高い需要がある。どうも、学校生活の中で、休憩する場所が無いようだ。考えてみたら、その通りだろう。学校は、集団生活をする場であり、それも場所は「クラスの教室」と決められている。そうすると、一人で居りたい児童や生徒にとっては、どこに行けばいいのかとなる。保健室まで行くと、「なにやら大層だし…不登校と思われるのは嫌だし・・・」となる。教室と保健室の中間的位置づけが図書館なのだろう。図書館で騒ぐ児童や生徒も少ない。静かに自分の時間を過ごせるのである。となると、教室から近いと相反する要望となってしまう。附属中学校での改修工事で、生徒に図書館のコンセプトを考えてもらった時も「ホッとできる空間の確保」が話題になった。どちらかと言えば、そちらがメインの議論になってしまったので、「図書室の機能強化で蔵書数を考えてね」とアドバイスしたが・・・。それほど、子どもたちは、学校生活の中で緊張して生活しているのだろう。

 このように考えると、今私が勤める通信制の学校など、クラスも教室も無いが、授業を受けに来る生徒たちは、まるでハリネズミのように棘を出して緊張しているように見える。これは、私だけの意見ではなく、他の分校でも同じような状況らしい。人間関係に疲れて、通信制を選択した生徒も少なからず、いや多数いる。東近江市の市長さんもフリースクールの視察も必要だが、通信制の高校生もみてほしいと、ふと思った。


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