読書推進月間①-高校生の読書離れの原因は、部活とスマホ


 10月27日から読書推進月間が始まった。10月28日の読売新聞には、全国学校図書館協議会の調査結果が掲載されていた。一か月に一冊も本を読まない「不読率」は、大きく改善したらしい。前年から
中学生→-5.5ポイント
高校生→-7.6ポイント
小学生→+0.6ポイント
である。そこで、新聞に掲載されているデータをもとに自分で見える化してみた。今年5月にどれだけの冊数の本を読んだかという結果が、次のグラフである。

グラフから言えることは、次のこと
①小学生→中学生→高校生の順に本を読まなくなる。それも高校生の不読率は圧倒的に高い。
②小学生は、7冊以上読んでいる児童が半分以上を占める。それに比して、中学生は20%強、高校生にいたってはわずか6%ほどである。
③高校生の不読率は減少したとはいえ、43.5%、3冊以下の生徒は、90%弱に上る。
この原因はいったい何だろう。

 まず、読書量の減少の要因として考えられるのが、㋐部活動㋑学校からの課題(家庭学習)㋒塾などの学校外の学習㋓SNS・ゲームなどである。中学生の読書量が減少する要因は、㋐と㋒であることが予想される。中学校に進学して本格的な部活動も始まるし、高校受験に向けて塾通いをする生徒も増える。高校生の場合はどうだろう。これは、私の狭い経験から導き出される結論だが、㋐と㋓ではないかと思われる。大学受験に向けて高校入学後から家庭学習したり、塾などに通う生徒は、進学校といわれる学校の生徒、それも一部の生徒である。多くの生徒は、3年の部活動引退の時期(概ねGWあたり)から受験勉強を開始する。それまでの高校生活は、㋐と㋓で時間を費やす生徒が圧倒的に多い。高校こそリベラルアーツを身に着ける絶好の機会であるにも関わらず、読書量が決定的に足りないといえる。スポーツ庁や文化庁から部活動指針が出され、長時間の部活動が制限されている。にもかかわらず、公立高校でさえかなり遅い時間まで部活動をしている。地方都市ほど部活動をしているのではないかと思う。10代の若者の健全な成長を考えれば、高校時代の1日24時間をどのように過ごすのがよいか、学校(教師)ももっと考えたほうが良いのではないか。
 子どもが通っていた大阪府立天王寺高校には、「天高の100冊」という冊子が作られていた。天王寺高校の3年間で読むべき本をまとめたものである。かなり高度な本が掲載されていた。まさにリベラルアーツそのものである。今まで校長をした学校4校で、これを参考に「〇〇の100冊」という冊子を作成することを提案してきたが、いずれの学校でも成功していない。教師も読書の重要性がわかっていないのか・・・と思ったが、実は教師も本をほとんど読んでいない・・・。


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