教育問題は、素人でも意見表明できる

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滋賀県の東近江市の市長さんが、不登校問題やフリースクールに関して、公の場で持論を展開された。詳しい内容は、以下の記事を参照してほしい。この発言物議を醸している。反発するものから「言いたいことはわかるが・・・」という一定の理解を示しながら、苦言を呈するものまで内容は色々だ。

「不登校、大半の責任は親」発言の東近江市長が取材応じる「フリースクールで楽しんでいる子どもを見たら、雪崩現象を起こすかもしれない。私は問題提起した」

 この発言、市長の真意はどこにあったのか、わかりかねる部分もあるが、配慮に欠けた発言であるのは確かだ。誰も不登校になりたくてなっているわけではないし、行きたくてフリースクールに行くわけではない。ちょっと学校に行くのがしんどいからといって、すぐにフリースクールに直結するという問題でもないだろう。教育とは、非常に多様性に富み、センシティブな問題であるにもかかわらず、教育の素人(この市長さんは、もともと警察官らしい)であっても安易に意見表明ができる。なぜなら、ほとんどの国民が何らかの形で、学校や子育てに関与しているからだろう。これはこれで良いことだが、何の知見も持たずに自らの経験だけで意見を言えるのが、教育という分野でもある。このことが厄介だ。学校や教師が権威を維持していた昭和中期ごろまでは、教育に口出しすることは憚られた。「先生が、言っていることが正しい」と。ところが、中卒から高卒へ、そして大卒がどんどん増えて、教師が地域の知識人であるという地位がどんどん低下していった。このことで、学校や教師の指導・言動に「???」を持つ親が増えた。保護者以上の教育に関する知見を持つべき学校や教師がどれだけいるのだろう。これから、教師の質は、どんどん低下していく。益々、学校の権威どころか、信頼が崩れていくだろう。この市長さんのような素人意見に対して素人意見に知見を持って意見できる教師はどんどん減っていく。

益々、学校現場は混乱するだろう。

追伸:読売新聞10月19日の新聞@スクールに「21世紀出生児縦断調査」の結果が掲載されていた。こんな調査をやっていたのかと初めて知った。ちょっと時間をかけてデータ分析をやってみたくなった。


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