データは「切り方」が大切!

,

 9月9日の読売新聞を読んでいると、2面に読売新聞と早稲田大学の共同世論調査の結果が出ていた。見出しはこうである。

政党イメージ自民「外交」 維新は「改革意欲」

と書かれていた。関連記事及び詳報が4面に出ていたので、読み進める。さらに、特別面に調査結果のデータも出ていたので、見てみると「?」と思った。確かに、外交は自民党が66%の支持、経済政策は自民党が40%、改革意欲は維新が47%と他を圧倒している。ところがである。「ない」と答えた人が、この3つは、20%~30%と少数であるが、他の項目は、半数近くから半数を超えているのである。「クリーンだ」は、66%が無いと答えている。それを示したのが下のグラフである。

 新聞発表を元にグラフ化してみた。これを見ると、新聞の見出しとは違った面が見えてくる。特別面では、大きく「政策・実績 自民に信頼」と書かれており、次に「維新『若者世代を重視』」、そして小さく「立民は『多様性』」と書かれている。確かにそうだろうが、これも言えるだろう。

「既存政党に信頼感薄い」

と。確かに3党間で比較すれば、それなりの特徴が見えてくるが、先ほど述べた3つの項目以外は、圧倒的に「ない」が多数を占めているのである。既存政党への期待感、信頼感が薄いという側面が見えてくるのではないか。何を「切り口」にするか。これがデータ分析で大切なところである。
 常に1次情報に接することにより、2次情報である新聞の記事とは違う面が見えてくる。情報操作とまでは言わないが、新聞のデータを鵜呑みにするのは良くない。例えば、マイナンバーカードを巡る様々なトラブルが発生しているが、発生件数を表示することと、パーセンテージを表示することでは、全然見え方が変わってくる。「〇〇万件トラブル発生!」という見出しと「0.◇%のトラブル発生!」では、印象がだいぶ違ってくる。統計学的に見ても、今回のマイナンバーカードのトラブルは、誤差の範囲と言えなくもない。ただ、そのトラブルの発生原因はきちんと突き止め改善しなければいけない。しかし、マイナンバーカードの制度そのものや健康保険との紐づけを一旦停止するほどのものではない。中止したり停止するほうが、害が多くなる。このあたりが、マスメディアの世論操作と言える点であろう。マスメディアは、その成り立ちから権力の監視に力点を置かれている。権力のミスをことのほか、大きく捉えがちという点も見落としてはならない。
 新聞をはじめとするマスメディアは大切だが、疑問に思ったら1次情報に立ち返ってみることも大切だ。特に、SNSで情報を得る人が多くなった世の中では。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP