金沢泉丘高校の生徒に拍手!


 8月21日、いつものようにニュースランナーを見ていると、最後の最後の時間に、金沢の高校生の取り組みのニュースが流れた。短いニュースなので、内容までは十分に理解できなかったが、どうも探究活動で外部講師を呼ぶ企画を校長がSTOPしたらしい。テーマは、「LGBTQ+」で生徒たちは、当事者の話を聞かないとと思い、企画したらしい。詳しくは、以下のyahooニュースに載っているので見てほしい。
「LGBTQ+当事者を招いて話を聞きたい」高校生の提案を学校側が却下…校長は「生徒の言葉で発信すべき」と説明

まずは、校長の言い分を聞いてみよう。校長は以下のように中止の理由を語っている。

「生徒たちから、当事者をお呼びして他の生徒たちに現状をダイレクトに伝えたいという提案があった。確かに当事者の方をお呼びして直接話してもらうというのは、それ自体は国の法律も制定され、県の条例も制定していく中で、理解促進ということではもちろん否定はしないんですが、まずは生徒たちが調べたことを、生徒たちの言葉で他の生徒に発信すべきではないかと。そういった趣旨で今回の提案はストップという流れなんです」(上記のyahooニュースより引用)

 正直、この中止の理由、「???」だらけである。この校長は、探究学習が何たるかまるで分っていない。探究学習とは、生徒自身が問題を発見し、その課題解決のために、自らの考えを深めていく学習である。そして、多くの学校で、探究学習が実施されている。この探究学習は、その性質上、ほぼすべての学習で「学校の外」との連携が求められる。なぜなら、「何が問題か」「どのように考え、解決するか」ということを考えるヒントは、「学校の外」にあるからだ。この校長は「まずは自分たちの調べたことを発表する」というが、この当事者のイベントも「調べる過程」の取り組みだろう。 
 さらに、テーマが「LGBTQ+」であるので、世の中がどのようにこの問題を捉えるかが大きな課題である。だから、校内で当事者に来てもらって話を聞き、聞いた生徒たちがどのようにこの問題を受け止めるのか、そしてその結果をもとにしてどのような解決策を考えるのかと、探究活動は続いていくのである。北陸学院大学の村井万寿夫教授もこのyahooニュースの記事の中で同じようなコメントをされている。
 以下は、予断と憶測だが、この校長、「LGBTQ+」について、何らかの偏見を持っているのではないか。だから、当事者を学校に呼ぶことに躊躇したのではないか。この学校は、SSHにもSGHにも指定されている。違うテーマなら大学の教授や地域の団体の関係者を学校に招いているはずだ。どうだろう、この点を記事を書いた記者は、もっと突っ込んでほしいと思う。「〇〇はOKなのに、なぜ『LGBTQ+』の当事者はだめなのか」と。

 一方、生徒たちは、学校のこの対応にもめげず、夏休み中に学校外でこの企画を実行した。あっぱれという他ない。この企画を実行した金沢泉丘高校の生徒たちに、精一杯の拍手を送りたい。この生徒たちは、すでに学校を乗り越えている。別の意味で、このような不測の事態に対してどのように対処すればよいかを「探究した」のではないだろうか。素晴らしい生徒たちだ。

全国の校長先生、このケースどう考えますか?あなたならどうしますか?コメント募集します!


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