高市首相の教育に関する方針演説

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 2月20日に特別国会で、高市首相の施政方針演説が行われた。NHKONEで聞いていたが、聞いていて心に響くものがあった。高市首相がやろうと思っていることが素直に心に入ってくる内容で、石破の「楽しい日本」なんかよりもよほど国民が求めている内容だったと思う。演説の半分を経済に使ったのも、まさにその問題が焦眉の課題であるからだ。

 ただ、ここで一つだけ申し上げたいことがある。「日本を強く豊かに」するためには、教育に力を入れなければならないということである。10万字あまりの施政方針演説の中で、教育に関して言及されているのは、わずか400字程度である。まさに原稿用紙1枚程度。これでは、教育に携わる者の期待に応えているとは言えない。

 いま、教育現場で最大の問題になっているのは、いじめ・暴力・不登校・学力低下などである。それらの問題を解決するためには、教師の力が必要であることは、言を待たない。ところが、その教員が圧倒的に現場では足りないのだ。教員不足により、最低限の教育活動を行うことにも支障が出ていると言わざるを得ない。教頭が担任をしている学校も少なくない。学校という組織の要である教頭が、自身がやらなければならない以外の仕事に忙殺される状況では、組織がうまく回らないのは当たり前である。

 教員不足がこれだけ大きな問題になっているのも、教職という仕事がワークライフバランスを著しく欠く仕事だからである。例えば、こんな記事が報道されていた。日教組が18日に、「現在のような働き方を定年まで続けることは可能だと思うか」と質問したところ、「可能だと思う」は14.2%にとどまり、「可能だと思わない(不可能だと思う)」が61.1%に上ったのである。こんな職業・職場には人材が集まらない。ましてや人財は、もっと集まらない。

 なぜ、このようなことになっているかというと、まさに教員の働き方改革が進んでいないからである。教職調整手当を段階的に10%まで上げたとしても、学校現場に「人」を増やさなければ、この問題は解決しないのだ。ところが、今回の演説で高市首相がこの問題に触れたのは、わずか次の文面だけである。それは、

「教職員の働き方改革を一層進めるとともに、指導体制の充実を図り、人づくりの礎である教育の質を向上させていきます。」

である。これでは、国の礎となる人材の育成に関して、大きな不安要素となるのではないか。

高市首相には、もっと教育に力を込めてほしい。政策の大きな方針転換には、大いに賛成である。それだからこそ、石破内閣で中途半端に終わった「教員の働き方改革」に関して、もっと大胆にメスを入れてほしい。


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