エストニア カラス首相インタビュー


 7月6日の読売新聞にエストニアのカラス首相の単独インタビューの記事が掲載されていた。エストニアは、ロシアと隣接するバルト三国の一つである。カラス首相のインタビューの中で、印象に残ったのは、「ロシアの行動原理は今も1940年代とまったく同じだ」と断言していることである。その理由に、ソ連・ロシアは、いままで戦争犯罪を追及されていないというのである。「そういえば、その通りだ!」とポンと心の中で手を打った。
 第2次世界大戦で敗北したドイツはニュルンベルグ裁判で、そして日本は東京裁判で戦争犯罪の裁きを受けた。だから、このウクライナ戦争中でも、「戦争にもルールはあるだろう!民間人や民間施設、ましてやダムや原発を攻撃して良いわけがない!」と素直に受け入れられる。ところが、ソ連・ロシアは今まで戦争犯罪を捕らわれたことはないのである。首相が指摘するように、「鉄のカーテン」にさえぎられて、何をやっているのかわからなかったのである。だから、ロシアの行動原理は変わっていないのである。
 今回のウクライナ戦争で、ロシアの行動は、21世紀の戦争ではない。特にブチャの虐殺は、絶対あってはならないことだと西側の人間は思う。しかし、彼らはスターリンの時代から、全く同じことをWATO加盟国に対してやってきたのだ。彼らにとっては、今回の行動は当たり前の行為なのである。そのことを我々は、余程肝に銘じなければならない。自分の尺度で、相手の行動を判断してはダメなのである。ウクライナ戦争の初期に侵攻したロシア軍の兵士は、「ウクライナにはネオナチがいる」と吹聴されて攻め込んだ。しかし、どこを探してもネオナチはいなかったのである。ある兵士が、ロシアにいる母親に「ウクライナにはネオナチはいないよ、母さん」と電話したとき、母親は「そんなことはない、男は殺し、女は犯すのよ」と言ったという。これが、ロシアとロシア人の行動原理なのだ。そんな国が隣国にあることを、しっかりと認識すべきだ。私たち日本人の頭は、今まで「お花畑」だったのだから。


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