生成AIを活用する小学生


 2月11日の読売新聞の教育の欄に、興味深い記事が掲載されていた。ベネッセの調査で「調べものまずAI」という小学生が半数超というのだ。生成AIを使う小学生に「分からないことを人に聞く前にAIに聞くことがあるか」と尋ねたところ、「とてもあてはまる」(15.7%)、「まああてはまる」(41.2%)と回答し、計56.9%だというのである。とにかくAIという状況が、小学生にまで浸透してきているという事だろう。

 最近は、大人でも悩み事や相談事があれば、AIに相談するという人が、凄まじい数で増えているらしい。つい最近、何の番組か忘れたか、AI結婚式を挙げた女性が登場したことを知った。ここまでくると、もう異常としか言いようがない。人がAIに依存するのが、socity5.0なのかもしれない。

 ここでふと思い出したのだが、司馬遼太郎氏が、たしか「街道をゆく」の中で蓮如について書いていて、蓮如の弟子の事を取り上げていた。名前は忘れたが、赤尾の道宗かもしれない。蓮如が直接指導した弟子だからだ。司馬さんは、エッセイの中でその弟子が蓮如のすべてを真似ていたという事を書いていた。それが、師匠から弟子に伝わるという事なのだろう。そういう伝わり方をする中で、師匠(大人)の権威も子(弟子)に伝わるというものだ。

 ところが、IT技術が発達することにより、その技術を使いこなせる若者の権威が増すようになった。子が大人を指導するようになったのだ。そしてこのことは知識・技能の伝授だけではなく、生き方に関わる道徳にまで影響をするようになった。40代・50代の女性を見ていると、年相応に年を取ることの意味よりも、如何に若者らしく見せるかに苦心する人が多い。そしてそれは、男性エステへと波及しているのだ。
 人類の英知というのは、知識・技能だけではなく、その生き方も含めて大人から子へと伝えられてきたが、今や子から大人へと逆転の流れが生まれている。この生成AIの誕生により、もはや、AI→人という流れになりつつある。これでは、大人はもとより、学校の教師の意義もあったものではないと言えるかもしれない。

 教師が学校で問題行動を起こした児童生徒に指導をしようとしたら、「先生、ちょっと待って。今の先生の指導の内容が正しいかどうか、チャットGPTに聞いてみるよ」と言われるかもしれない。そして、「チャットGPTは、今の先生の言い方はおかしいと言っているよ。先生は間違っている」という世の中が、すぐそこに来そうだ。


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