過半数が定員割れの可能性

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 2月7日の読売新聞地方版に、令和8年度の大阪府立高校入試の中3進路希望調査が掲載された。全日制の平均倍率は1.04倍である。衝撃的なのは、71校がこの希望調査で定員割れをしていることだ。昨年度は、半数の学校で定員割れを起こした。今年もそのトレンドは変わらず、さらに定員割れが増加している。

 昨年度は、戦前からの伝統校である寝屋川高校が定員割れを起こして、「寝屋川ショック」という言葉が府内で流れた。さすがに、今年の希望調査では寝屋川高校は定員を超えているが、府立高校全体をみると、定員割れになる学校は昨年度を上回る可能性が高い。何回もこのブログで書いているように、府立高校は3年連続定員割れを起こしたら、再編の対象となる。府立高校がどんどん減っていくということだ。本当にこれで良いのだろうか。大阪府教育庁は、どのように考えているのだろう。府立高校の校長も、そしてそこに勤める教職員も、モチベーションが下がることはあっても上がるようなことはないのではないか。
 
 そこで、この定員割れ問題に関して、いくつか提案をしてみたい。
 第一に、先に述べた「3年連続定員割れ→再編対象」という条例を廃止すべきだ。こんな条例に乗っかって府立高校を再編していたら、どんどん府立高校が無くなっていく。通学の便、地域性を考えて高校を配置しなければならない。営利目的の私立高校と違って、府立高校は府民のための公共性を重視しなければならないのではないかと思う。

 第二に、府立高校の特色化をすすめることである。大阪府教育庁は、全ての学校で海外への「短期留学制度」を導入すると言っているが、この定員割れ問題の前では、なんら効力を発揮していない。特色化のトレンドは、探究学習なのである。全ての府立高校で探究学習を推進する支援をすべきなのだ。大阪府教育庁は、支援の方向のベクトルを間違っている。

 第三に、定員割れをした高校もそうでない高校も、今までのような教育水準を捨てて、包摂性を推進すべきだ。通信制で仕事をしていると、定員割れを起こした学校からの転学ケースが多い。定員割れを起こすと、今まで入学してこなかったような生徒が入学してくる。受け入れる学校としては、戸惑いもあるだろう。だからと言って、今までと同じような水準で教育を行っていれば、学校から排除されてしまう生徒も多くなる。ここは腹を決めて、入学してきた生徒は、全員卒業させるというぐらいの覚悟が必要だ。そうでなければ、公立高校に受かっても、どうせ辞めさせられるという評価が定着し、更なる定員割れを招く「負のスパイラル」に陥ってしまう。

 昔と違い、私立高校の入試が終わっても、府立高校には希望者が戻ってこない。これが高校授業料無償化の恐ろしいところだ。おそらく、昨年度よりもさらに定員割れをする高校は増えるだろう。この状況は、全国で発生する。

 それでいいのか!文科省!と大きな声で言いたい。


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