世界はブロック化されつつある?!


 7月4日、社会協力機構がオンラインで開催された。日本のマスコミの報道は、「プーチンがウクライナ侵攻後初めて国際会議に参加!」という論調が多かったが、注目すべきはその点ではないだろう。中露主導する会議に、イランが正式に参加、ベラルーシも正式参加の覚書という動きである。この動きは、第1次世界大戦前に、イギリスを中心とする3C政策とドイツを中心とする3B政策に似ている。また、第二次世界大戦前の連合国と枢軸国の動きにも似ている。
 今の世界情勢は、3つの流れがある。一つは、政治経済的には欧米を中心としたG7、軍事的にはNATOの動き。日本もこのグループに属する。そして、中露と旧ソ連邦のグループ。北朝鮮もこのグループに属する。3つ目が、グローバルサウスのグループである。この3番目のグローバルサウスを欧米と中露で取り合いをしているという構図である。この取り合い、どちらかと言えば、欧米に不利である。今回のイランの上海協力機構の参加や、ロシアへの武器供与などを許しているのも、欧米にとっては不利と言えよう。
 なぜ、欧米は不利なのか?それは、アメリカ・イギリス・フランス(連合国側)・ドイツ・イタリア(枢軸国側)などの国々が、帝国主義政策を推進し、その派遣を争っている中で、犠牲を強いられたのが現在のグローバルサウスだからである。第二次世界大戦後、次々と植民地国が独立し、帝国主義政策を見直さなくてはならなくなった欧米だが、石油をめぐってその産油国に利潤追求の触手を伸ばしていった。1979年に起こったイラン革命などは、その政策に対する反発の最たるものだろう。口では「民主主義、人権、法の支配」と言いながら、裏では経済的な搾取や収奪を行う欧米について、根本的な不信感がグローバルサウスにはある。ウクライナ戦争で、「力による現状変更」に対してロシアを非難しても、「あなたたちは、今まで何をやってきたのですか?」と腹の底では思っている。それが、グローバルサウスの本音だろう。
 これからの世界情勢は、インド、イラン、ブラジル、インドネシアなどのグローバルサウスの主要国が、どういう姿勢をとるかに大きく影響を受ける。このグループが、中立を維持している限りトッド氏が述べる第三次世界大戦までには、発展しないだろう。しかし、インドも上海協力機構の会議に参加している。イランは正式参加した。益々、世界はブロック化されていくのではないか。日本はどうすれば、良いか?改めて思うに、安部首相の「開かれたアジア太平洋」というスローガンである。この意味の持つ意味は、益々重くなるだろう。枢軸国であった日本は、意外にも平和憲法のおかけで、中韓を除いて、世界からの信頼は厚い。日本及び日本人の世界での役割はますます増していると、一人一人が自覚すべきである。


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