衆議院選は関ケ原


 高市首相が、通常国会冒頭での国会解散を決めてから、風雲急を告げるという様相の政治の世界だ。1月15日には、“中道勢力の結集”を名目に、立憲民主党と公明党の衆議院議員のみが合流する新党が結成されるという報道がなされた。本当に、政治の世界は、一寸先は闇だ。大阪では、知事と市長のW選挙が行われるようで、世間は誠に騒がしい。
そこで、今回の衆議院選挙の意味を冷静に考えてみたい。

 まず、前石破政権下で行われた衆議院選挙、参議院選挙で、自民党は両院で少数与党に転落した。はっきり言って石破政権は何をやろうとした政権なのか、全く不明瞭で、日本の国益に利する政権ではなかったと言えるだろう。自民党内の疑似的政権交代の様相を呈した総裁選で高市総裁が誕生したが、公明党が連立を解消するという挙に出たのだ。その結果、自維連立政権が誕生し、高市政権は高い支持率を維持している。

 高市首相としては、総裁・首相に就任したものの、高市政権は国民の信を問うていない。新たに発足した政権として、激動する国内外の情勢を乗り切るために、政治の安定を図りたいと考えるのは、当然の事だ。少数与党では、何か躓いたときに政権は安定しないし、外交においても足元を見られることになる。特に、アメリカ・中国と渡り合っていかなければならない時に、足元がおぼつかないでは話にならない。
 私は、早く総選挙をやるべきだと考えていたので、今回の高市首相の判断には「よく判断した」と賛意を示したい。一部与党、そして野党やオールドメディアで語られる唐突感はまるでない。解散決定により株価が最高値を示したように、「高市政権は買い」なのだ。

 そこで、今回の衆議院選挙の論点を整理したいと思う。第一の論点は経済政策である。「責任ある積極財政」か「緊縮財政」かである。これが一番大きな争点だ。財務省が進める緊縮財政が原因で、日本は失われた30年を経験することになり、GDPも中国・インド・ドイツに追い越される状況だ。この経済状況をどのように打破するのか、その方策の一つが、高市首相が進める「責任ある積極財政」で、日本の経済力を回復するために戦略投資を行うというものだ。この政策に“中道勢力”の野田・斎藤連合は何を打ち出すのだろうか。元々、野田氏は、自分でも自虐的に「緊縮財政」と揶揄しているほどである。「積極財政」を進めようとする高市政権か、それとも「緊縮財政」を標榜する中道勢力かが大きな論点だ。

 第二は、安全保障と大きくかかわる対中戦略の問題だ。公明党はもともと中国との距離が近い政党であり、立憲民主党も岡田議員の質問にあるように、中国を利することばかり発信する。習近平の台湾進攻が現実味を帯びてきている今、対中戦略をどのようにとるのか、合わせてアメリカを極東にどのように引き込むのかは、大きな論点になる。少なくとも、首脳外交でトランプ大統領と良好な関係を築いた高市首相でなければ、危なっかしくて他の政治家には任せられない。

 第三の論点は、外国人政策である。これについては、“中道勢力”の「包摂された社会」を私は支持したいと思う。もう日本は、外国人の労働力なくして成り立たない社会になっている。高市首相がいくら「排外主義に結びつかない・・・」と枕詞をつけても、日本に住む外国人にとっては、高市政権は恐怖である。自らの生活基盤を脅かされる恐れを感じているのだ。高市首相は、もっと明確に外国人政策の何が問題で、どのように改めようとしているのかを打ち出すべきだろう。そうでないと、いくら「排外主義に結びつかない・・・」と言っても排外主義に結びつく可能性がある。

 以上のように考えると、今回の衆議院選挙は、日本の今後を占う「関ケ原」と言っても過言ではないだろう。もし、高市政権が負けるようなことになれば、日本の政治は混迷に混迷を重ね、国内的にも国際的にもどうにもならない状況になる可能性がある。


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