2026年朝日新聞の社説


 今日は、朝日新聞の社説である。20代から30代の頃は、朝日新聞を購読していた。しかし、段々と面白くなくなり、一度読売新聞に変えたのだ。そうすると、紙面に取り上げられている記事が全然違い、面白いと思えた。そこから朝日新聞から読売新聞に切り替えた。しかし、世界に発信されているのは朝日新聞の記事らしく、日本のメディアを代表する新聞だけに無視することもできない。

 さて、朝日新聞の社説だ。「退潮する民主主義 『分断の罠』に陥らぬよう」というタイトルである。「いま、世界の民主主義の現在地を考えてみたい」から主張は始まる。スウェーデンの「V-Dem」の25年報告書では、独裁国家の数(91)が、民主的国家の数(88)を上回ったという。民主主義の現在地に危機感を持ちつつ、戦後すぐに発刊された旧文部省の「民主主義」を引用しながら、論を進めている。私も民主主義が退潮傾向にあり、独裁的及び専制的国家が伸長していることに危機感を感じている。

 社説に主張されているように、独裁的国家の方が、いろいろ面倒な手続きを経なくてよいし、物事の決定がスムーズに行われることは事実だ。国家の誕生時には、この方が良いのかもしれない。しかし、個人の自由が抑制される独裁的・専制主義的国家では、個人の自由な活動が抑制されてしまうために、経済的な活動も頭打ちになるという。やはり、民主主義国家が、国民の幸福と国家の成長をもたらすのだ。

 民主主義が後退しているのではないかと危機感を示しつつ、米NGO「フリーダムハウス」が示す「4つの指標」を掲載していた。民主主義が権威主義に傾斜していく指標だ。
 一つ。権力者が司法の独立を弱めるなど「法の支配の弱体化」
 二つ。不透明な資金調達や選挙規則の操作など
 三つ。ジャーナリストへの攻撃や情報へのアクセス制限など「報道の自由への攻撃」
四つ。社会的弱者が直面する「移民への差別・不当な扱い」
である。この指標に基づき、朝日新聞は、日本の現在地検証を試みている。

 そこで最初にやり玉にあげられたのは、高市政権が進めようとしている「スパイ防止法」の問題だ。朝日新聞は、この法律が「権力を法で縛る『法の支配』から、法で市民の権利を狭める転換点になりうる」と警鐘を鳴らしている。果たしてそうだろうか。まだ、「スパイ防止法」の全容が明らかになっていない段階で、このような決めつけはどうかと思う。よく言われているように、日本は「スパイ天国」なのだ。特に専制主義国家にとっては、「天国」らしい。このまま放置しておけば、情報戦、認知戦にさらされ、日本の言論が左右されかねない。また、価値観を同じくする民主主義国との連携を深めるためにも、情報の共有ということを行わなければならないが、日本には「スパイ防止法」が無いために、高度な情報共有ができないと言われている。私は、日本の民主主義を守るためにも、専制主義国家から守るためにも、「スパイ防止法」は必要ではないかと思っているのだ。

 更に、朝日新聞は、排外主義にも警鐘を鳴らしている。参政党が先の参議院選挙で「日本人ファースト」を掲げて躍進したことへの警鐘だろう。移民政策については、絶妙なコントロールが求められるのだ。大量の移民を受け入れたドイツ・イギリスでは、移民による混乱が生じ、移民排斥を訴える極右政党が勢力を伸ばしている。移民を受け入れるという多様性の政策が、逆に移民排斥勢力を伸長させてしまったのだ。
私がよく読んでいるエマニュエル・トッド氏も「日本は、欧州のようになってはいけない」と警鐘を鳴らしている。日本の人口減少の中で、移民をどのように受け入れていくのか。日本人の民主主義力が試されているのだ。

 朝日新聞も単に警鐘を鳴らすだけではなく、移民政策について具体的な方策を述べるべきではなかったかと思うのだ。1月3日の読売新聞には、外国人との共生の記事が詳しく載っていたように。


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