12月26日、年の瀬が迫ったときに、疑問が満載の記事が読売新聞に掲載されていた。香川県立高松北高校フェンシング部顧問の男性教諭が7月、部員の男子生徒の顔を複数回平手打ちする体罰をしていたことが分かったというのである。ところが、県教委は、この男性教諭を注意処分とし、同校は一時指導から外したという。
記事にも書かれているが、体罰に対する懲戒処分は、「停職・減給・または戒告の懲戒処分」と県教委は、昨年8月に示しているのである。県教委は、「診断書が無い」という理由で、「けがをさせたとは言えない」と判断し、懲戒処分を行わなかった。
日本体育大学の南部さおり教授が指摘するように、「診断書がいるならば、事前に保護者・生徒に周知徹底する必要がある」というのは当然である。しかし、体罰は何も殴る・蹴るというものだけではない。
文科省の「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」には、
・放課後に児童を教室に残留させ、児童がトイレに行きたいと訴えたが、一切室外に出ることを許さない。
・別室指導のため、給食の時間を含めて生徒を長く別室に留め置き、一切室外に出ることを許さない。
・宿題を忘れた児童に対して、教室の後方で正座をして授業を受けるよう言い、児童が苦痛を訴えたが、そのままの姿勢を保持させた。
という行為も体罰と認定されている。診断書の有無の問題ではないのではないか。
香川県教委は、体罰の問題を軽く考えているのではないか。強豪校のフェンシング部顧問の事案として、手心を加えたのではないかと疑われても仕方ない事案だ。

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