教育の話題が無かった臨時国会


 12月17日で臨時国会が終了した。補正予算が自民・日本維新の会・国民・公明の賛成により成立した。立憲民主党は、公明党との予算組み替え法案を提出していたが、最終的には、「独りぼっち」状態になった。岡田議員の執拗な質問から出た首相の答弁は、日中関係を大きく転換した。鹿の質問を執拗に繰り返した立民のある議員もいた。立憲民主党の国会での質問を観ていると、「立民の軸は何なの?政府―与党を批判したいだけ?」と思うのだ。政治家が自分の言葉で述べよと言っていたと思ったら、「官僚の答弁書とは違う事を云った」と批判する。訳が分からない。

 今回の臨時国会の一番の話題は、与野党対決というよりは、与党間の駆け引きにあったように思う。定数削減を巡る自民と日本維新の会の駆け引きだ。結局、定数削減に関する法律は継続審議になったが、短い審議時間で成立させようという日本維新の会の国会運営の稚拙さが目立つ結果となった。与党としての自覚がどこまであるのかと思う。

 定数削減という問題は、選挙制度の問題と合わせて議論すべきだ。多党時代に突入した日本の政治に小選挙区制は合わない。私は、国民民主党が主張している「中選挙区・複数投票」が妥当ではないかと思っている。そして、重複立候補や比例制を廃止すべきではないかと思うのだ。今後通常国会で議論が展開されるであろうが、日本維新の会も定数削減を選挙制度と絡めて提案すべきだろう。一旦仕切り直すことが必要ではないかと思うのだ。

 それにしても、今回の臨時国会で教育の話題は一切といって良いほどなかった。給特法の改正は、前回の国会で成立し、新給特法として発足した。兵庫県では、教職員組合が教員不足を知事に訴えており、教員の働き方改革がどうなるのか、一向に先が見えてこない。私は今、「教員の『働き方改革』はなぜ進まないのか」という本を読んでいる。大阪大学の高橋哲教授の編著書だ。国会でも参考人で呼ばれている人である。この本の内容は、いわゆる「左」サイドの内容である。しかし、現在の日本の教育の問題点に鋭く切り込んでいるように思うのだ。特に文科省が言い出した「在校等時間」という概念は、厚生労働省の「働き方改革のガイドライン」からも大きくずれている。高橋氏は、この「在校等時間」という概念が、労基法に違反しているのだと述べている。私もそう思うのだ。

 噂された国会解散はなかった。政治は、一寸先は闇だから、何が起こるかわからない。もしかしたら、通常国会冒頭解散なんてこともあるかもしれないが、通常国会で”教育”に関してどのような議論が展開されるのか、高市内閣に注目していきたい。


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