再考デジタル教科書

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 12月4日の読売新聞に、それも1面のTOPに、「行き過ぎたAI教科書 韓国現場懸念で見直し」という記事が掲載された。上なので、連載されるということなのだろう。他紙は知らないが、この間、読売新聞は一貫してデジタル教科書の導入に疑問を投げかけている。それもそのはず、デジタル教科書先進国では、導入の見直しが為されているからだ。

 なぜ、見直しが進んでいるかといえば、明らかにデジタル教科書を使って学力が向上していないからだ。記事にも韓国の数学教師のコメントが載っていた。
「理解を深めるには手作業が大切だ。定理を動画で見るのは簡単だが、理解が深まらず、知識は定着しない」
という。

 またノルウェーの状況も紹介されていた。PISAで上位常連のノルウェーだが、デジタル教科書を導入してから、読解力、数学的応用力、科学的応用力の全ての分野で順位が低下しているというのだ。

 このブログでも再三再四、このデジタル教科書の問題について取り上げてきた。世の中もデジタル教科書の早期の導入に疑問を持ち始めている。しかし、文科省、中教審は一顧だにせず、デジタル教科書の導入を決定した。唯一の救いは、紙の教科書との選択制ということだ。実際に教科書を選択する時、デジタル教科書のみを選択する自治体の教育委員会がどれほど出るかだろう。多くの自治体が紙の教科書、または紙との併用を選択してほしいと思う。


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