京都府教育委員会の発表によると、2026年度の進学希望調査で、初めて公立高校進学希望者が半数を割り込んだという。公立高校希望者が49.5%になったというのだ。その一方で、私立高校を進学先の第一希望にしている生徒は、過去最高になっているという。明らかに、2026年度から始まる私立高校授業料無償化の影響である。無償化が先行実施されている大阪府では、2025年度入試で半数の公立高校で定員割れが発生した。とうとう、全国で同じような現象が起こることになりそうだ。
一方、11月29日の読売新聞の地方版で、村上学園が運営する東大阪大学柏原高校が、2027年度から募集を停止するという記事が掲載されていた。私の職場でも驚きの声が上がった。同校は、スポーツが盛んで全国大会にも出場する部があるような高校だからである。記事を読むと、生徒が定員の半数ほどしか集まっていなかったらしい。これでは、なかなか学校の運営としては難しいのだろう。加速度的に進む少子化が都市部での私立高校の閉校につながったという事象だ。授業料無償化で私立高校人気の中でも、経営難に陥る学校が出始めたという事なのだろう。
今後、授業料無償化の実施、少子化の影響で、高校に進学する地図は大きく変わる。政府も公立高校への支援に向けて動きを進めているが、何が必要か今一度整理してみたい。
まず、大前提の土台の部分で不平等なシステムを是正することである。それは、公私を問わず学校の存続にかかわる生徒獲得競争に関わることである。全ての都道府県で私立高校の入試が先行実施されている。授業料が無償化され、施設設備が充実している私立高校に魅力を感じるのは当然だし、早く進学先を決めたいという受験生心理からも私立高校に受験生が集まるのは当然だろう。公立高校が圧倒的に不利になっているのである。このことにより、経営困難な私立高校の延命に手を貸しているともいえる。公私ともに生徒獲得競争を平等に行うために、公私同時受験とデジタル受験の導入が必要だ。もし、入試を先行実施したい私立高校があるならば、授業料無償化から外れればよい。
2点目は、私立高校の授業料無償化の導入の条件を設定することである。学校経営に問題が生じたり、いじめ・暴力事案、不祥事などが相次ぐような私立高校は、税金を投入するに値しない学校である。スポーツ強豪校を中心に、いじめ・暴力事案が多発した。広島県にある広陵高校のように、発生した事案に対して適切な対応ができていない学校もある。本当にそのような学校に税金を投入して良いのかという問題だ。すでに大学の私学助成については、文科省は不祥事がある大学には助成を停止しているではないか。私立高校にも同じような制度設計が必要である。
3点目は、公立高校への支援である。まず教育行政が行うべきは施設・設備の老朽化を何とかするという事だろう。私立高校に比べて、圧倒的に見劣りがする。教育予算を増やすべきなのだ。次に必要なことは、専門学校のみならず普通科の学校にも教育内容の特色化を推進すべきである。すでに、政府では公立高校への支援の動きがあるようだが、その内容が問われることになるだろう。

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