高市首相の所信表明演説

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 高市氏が104代の憲政史上初の女性総理大臣に選出された。10月24日、衆参両院の本会議で就任後初の所信表明演説を行い、「強い経済」の構築に向け「責任ある積極財政」の考え方の下、物価高対策などに取り組む姿勢を示した。このことは、多くのメディアが報じているので、教育以外のところは言及しない。ほとんどの内容に私は賛成だ。

 一方、教育の分野である。教育政策に関しては、「いわゆる高校の無償化・給食の無償化について、安定財源の確保と合わせて来年4月から実施する」と明言するとともに、高校教育の在り方も見直す考えを示した。この点については、まだ公明党が与党であったときから、自民・公明・維新の3党で協議を重ねていた事項であるから当然と言えば当然である。併せて、「この機会に財政支援にとどまらず、日本の高校教育の在り方についても見直しを進める」と述べ、高校教育の改革を進める考えも示した。このことは、高校無償化により、公立高校の地盤沈下が進んでいるので、当然見直しを進めてもらわなければ困る話だ。

 気になるのは、科学技術に関しては言及しているが、この他に教育に関する言及が所信表明に無いことである。特に、一応決着が着いたとはいえ、不十分な形でしか決着が着いていない給特法の改革問題を中心に、教員の働き方改革、部活動の地域展開の問題、学力の低下、不登校生徒数の高止まり、等々、教育に関する課題は多岐に亘っている。

 国民の関心事は、物価高対策であるのは当然だ。しかし、多くの国民が直接関係する学校教育の問題も深刻なのである。教員不足の問題は、砂が崩れていくように学校の崩壊をもたらしている。今回の所信表明は仕方がないとしても、通常国会に臨むにあたり、高市首相の所信表明に教育課題が盛り込まれることを期待したい。


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