10月21日の読売新聞の記事によると、自民、公明、日本維新の会で取りまとめる高校授業料無償化の制度案で、私立通信制に通う高校生がいる世帯への就学支援金支給額が33万7000円とすることになった。私立高校生のいる世帯への就学支援金支給額が45万7000円であることを考えると、支給額に差が生じることになる。
読売新聞によると、
「一部の通信制高校に関し、『教育の質を担保できていない』との指摘があることから、全日制と同額とすることは見送った」
というのだ。
ちょっと待ってくれ!そんな通信制があるなら、まずはその是正が先だろう。通信制で行っている教育が、教育の質を担保できないのなら、その学校で得られた高校卒業という資格の価値が減少する。
確かに、通信制で仕事をしていると、文科省が実施する高校卒業程度認定試験のテストよりも、数段簡単なテストが実施されていることに疑問を持つ。この程度で、高校卒業と名乗ってよい力がつくのだろうかと思ってしまうのも事実だ。しかし、小学校から不登校の生徒がいたり、中学校の学習が抜け落ちていたりした生徒を教えていると、文科省が求めるレベルの認定テストを合格するのは無理だろうと思うのだ。特に、私は数学を教えているので、猶更そう思う。「3-5」の計算を、指を折って数える生徒がいるのだから。
と言っても、私が勤める通信制の学校が「教育の質を担保していない」とは思えない。文科省が学習指導要領に定める通信制の基準は満たしている。通信制という事で、十把一絡げにまとめられても困るのだ。学校によっては、全日制よりも個別最適化に特化した「尖った教育」を行っている通信制もある。
この3党での実務者会議、もう少し教育につい勉強した方が良い。「教育の質が担保できていない」というのなら、支援の金額に差を設けるのではなく、まずは教育行政として、その教育内容の是正を求めるのが急務だろう。

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