これは、「怪物」に登場する校長そのものだ!

,

 6月26日に「『怪物』に物申す」とブログを書いたが、謝らなければならない。6月30日の読売新聞に、大阪市立の小学校教員の体罰に関する記事が掲載されていた。とんでもない教師と校長である。少し長くなるが、抜粋する。
 
 発表によると、女性教諭は前任の小学校で2021年5~6月に1年生1人、22年4~11月に4年生13人に対して、教室や廊下、体育館などで頭をたたいたり尻を蹴ったり、長時間立たせたりした。授業にふざけたことに腹をたてたという。
 当時の4年生のなかには、1人で18件認定された児童もいた。女性教諭は事実を認め、「体罰の認識がなく、コミュニケーションと勘違いしていた」と話している。

 いやー、今時、この認識は、アウトです。弁解の余地はないし、やっていることは明らかに体罰です。この女性教諭は、文科省の通達や教育委員会の通達の何を理解していたのだろう。もう、20年以上も前から「身体的接触を持たない」ということは、学校現場で口を酸っぱくして言われていた。「体罰の認識はなかった」とは呆れかえる言い訳である。さらに、驚かされるのは、校長の対応である。記事には次のように掲載されている。

通報以前に複数の保護者から相談を受け、事実確認を行い体罰を把握していたにもかかわらず、市教委に報告しなかったという。

校長としても教員の管理を行えていない。昔のタイプの校長や古い体質の学校では、教員が不祥事や失敗を起こした時に、「揉み消す」ということがあった。その行為を校長は「教員を守る」と思っていたし、そのような「揉み消し」を行わない校長を教員は「あの校長は、守ってくれない」などということがあった。まるで、勘違いである。教員を守るとは、不祥事を起こさせない、大きな失敗をさせないために、日頃から管理と教育を行うことである。私も様々な教員の失敗に出会ってきて、対処してきた。生徒の不利益になるような事象は、必ず教育委員会に報告を行い、相談の上対処を行ってきた。ただ、保護者への説明や謝罪については、校長である私が行ってきた。厳しい指摘や理不尽な要求を受けることも度々だったが、学校の責任者としてきちんと受け止め、対処してきた。時には、会話を録音されたこともあるが、それはそれで受け入れてきた。「私の対応が表に出てまずいことは一切ない」という自負である。校長の仕事というのは、こういうものではないかと思う。この小学校の校長のように隠ぺいすることではない。
 本当に「怪物」のような校長は今でもいるのだ、改めて思った。こんな校長や教員がいる限り、学校への信頼、教育への信頼はなかなか難しいだろう。なぜ、校長は隠ぺいしたのか、記事には掲載されていないが、是非、聞いてみたいものだ。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP