「あなたがしてくれなくても」・・・


 前回、小芝風花の「波よ、聞いてくれ」のコメントをブログに挙げると、突然アクセス数が増えた。やはり、皆さん興味があるのかと思う。今回のクールで、もう一つ注目していたドラマが、「あなたがしてくれなくても」、通称「あなして」である。皆さん、ご存じだと思うが、一応簡単な設定だけは紹介しておく。30代の二組の夫婦(みちと陽一、誠と楓)がセックスレスで悩み、共感しあい、破綻し、離婚するという物語である。30代、40代の女性の人気が高く、やはり「レス問題」は、人にあまり語れないだけに、関心はとても高かったと思われる。特に、最終回、みちと陽一が離婚したにも関わらず、元の鞘に収まったと思われるラストシーンが登場したので、ネット上は賛否両論で沸騰したらしい。世の中は、ともにレスで悩んでいたみちと誠が一緒になることを願っていたみたいだ。ところが、みちは、一人で自立する道を選択し、「誰かのために生きることより、自分のために生きる」ことを選択する。なのに、最後は「陽一か!」というところで、なんとも言えない「消化不良感」が賛否両論の原因だろう。
 ここから私のドラマ評である。実際のレスは、あんなキレイなものではないとまず言いたい。食欲・睡眠欲・性欲は、人間の本能に関わる部分なので、レスは本当に苦しい。苦しいというものではない。自分の性欲をどう処理し、どう乗り越え、消化していくかは、ある意味〇〇地獄の苦しみと表現したいほどである。私の場合、最初は酒で自分を潰さないと寝ることができなかった。自宅で酒で自分を潰そうとしても眠れないので、深夜まで開いている居酒屋で酒を飲んだこともある。その結果、ストレスと酒で体を壊し、入院するにまで至った。それでもレスは解消しなかった。さすがに、仕事に支障をきたしてはいけない、自分の健康を維持しなければならないと考え、スポーツに打ち込んで、疲れ果てて寝ることにした。求めても得られるものではないと諦めるまでに、相当時間がかかった。
 自分の立場は、誠の立場に近かった。誠は良く努力していると思う。妻である楓をいたわり、サポートし、労い、・・・、しかし、アニバーサリーにも関わらず、楓から冷たい仕打ちを受けるのである。まあ、楓は男の心理というものをわかっていない女だと思ったが、あのタイプの仕事を持つ女性は、結構多いと思う。感心したことは、「よくもまあ、誠は浮気しなかったな・・・」ということだ。誠の誠実さが伝わってきた。と言いたいが、これもきれいに描かれすぎている。レスは、男女関係なく、心の奥底まで深い傷を残す。ホントにその傷は深い。楓のように、そのことに気づかず相手を傷つけるので、余計に始末が悪いのである。
 さらに、二組の夫婦には子どもがいない。だから、離婚するもしないも本人たちの問題なのである。レスになる大きな要因に、子育てというものがあるが、このドラマでは割愛されている。まあ、原作から設定が違うので仕方ないが・・・だから、最後に元の鞘に収まった「みちと陽一」を見ていると、「なーーーんだ」と思ってしまう。子どもがいる夫婦のトラブルと、子どもがいない夫婦のトラブル。後者は、所詮恋愛の続きである。法的に夫婦であっても、所詮は夫婦ごっこのように思ってしまうが、これは言い過ぎだろうか。反発を受けそうだが、やはり「みちと陽一」も恋愛ごっこだと思ってしまった。世の中のレスで悩んでいる夫婦は、もっと深刻だと思うのだが、どうだろう?
 男目線でも、理解不能は陽一である。「妻だけED」というのはあるのだろうか?よく聞くのは、出産シーンに立ち会って、自分の子どもが産まれるところを見たため、性交できなくなったということは聞くが、これも男が軟弱になったのではないかと思う。それにしても、妻だけEDはよくわからない。他の女性には性欲を持つのに・・・さすがにみちはかわいそう。陽一を支持する人はどんな人なのだろう。


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