広陵高校の野球部のコーチが、部員1人に対して正座をさせる不適切な指導を行い、その報告義務違反も含めて、日本学生野球協会はこの当時52歳のコーチを3か月の謹慎処分とした。どういう事だろうと思って調べてみた。ことし4月、当時52歳のコーチが寮の清掃時間に廊下で騒いでいた2年生部員1人を指導した際、およそ1分間、廊下に正座をさせるという指導をしたという内容だ。
正座という指導が、適切な範囲なのか、それとも体罰になるのかというのは、その状況によって変わると私は考えている。明らかに体罰となるのは、長時間の正座である。肉体的苦痛を児童・生徒に与えることになるからだ。
文科省のwebpageにも次のような場合は、体罰となると紹介されている。
「宿題を忘れた児童に対して、教室の後方で、正座で授業を受けるよう言い、児童が苦痛を訴えたが、そのままの姿勢を保持させた。」
一方、東京都教育委員会の体罰に関連するガイドラインの中には、「指導の範囲内」として、次のような事例が紹介されている。(下記リンク参照)
「友達に暴言を吐き泣かせてしまった児童を正座させ、両肩を抑えながら説諭した。」
このような体罰に関する考え方からすると、この広陵高校のコーチが取った行動は、果たして不適切な指導といえるのだろうか。それも、謹慎3か月の処分である。この日本学生野球協会の処分は、どうもバランスを欠いているように思う。広陵高校は、このコーチを6カ月の謹慎処分にしたという。このような行為を不適切指導とするなら、今まで広陵高校の野球部内でどれほど不適切指導が行われてきたのか、洗い浚い明らかにしてほしいものだ。
どうも、世間から注目を浴びている最中なので、厳しく処分しようというような意図的なものを感じる。こんなことを不適切指導とするなら、これから広陵高校では、たとえ短時間でも正座という指導手段はとることができなくなる。そんなことも考えているのだろうかと思うほど、まずいマネジメントだ。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/shiryou1
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