8月26日の読売新聞の教育欄、教育ルネサンスに「命を学ぶ 動物飼育」シリーズが掲載されるようだ。この日は、第1回である。そういえば、私が小学生の頃は、校内でヤギ・ウサギ・カメ・ニワトリが飼育されていたことを思い出した。今は、飼育されていない。記事で紹介されていた東京都八王子市宇津木台小学校では、ウサギの「ロロ」が、1羽(注)飼われているだけだそうだ。年々動物を飼育する学校が減っているという。
原因は色々ある。
★鳥インフルエンザ
★児童の動物アレルギー
が考えらえるが、一番の原因は飼育の労力だという。大阪府では、07年度には78.5%の小学校が何らかの動物を飼育していたが、24年度には、18.3%に減っている。長期休業中や土日の世話をどうするかという事は、大きな問題だ。「先生が休みだから、動物も休んでね」というわけにはいかない。誰かが、餌をやり、フンの始末をしなければならないのだ。
このような困難がある一方、動物を飼育するメリットも大きい。命の大切さを学ぶことはもちろん、アニマルセラピーにもなる。記事にもヤギを飼育している東京都武蔵村山市立第一小学校の例が紹介されていた。特別支援学級担任の中尾教諭は、
「情緒が不安定になった児童もヤギとふれあうと落ち着く。ヤギのお世話は、子どもたちの自信にもつながっている」
と語っている。
このような成果もある学校での動物飼育なのだが、どうすれば教員負担が増えずに持続可能な飼育ができるだろうか、という事が最大の問題だ。解決策は、やはりコミュニティスクールだろう。記事にも平日は特別支援学級の児童が世話をし、休日は保護者や地域住民が担うと紹介されていた。このような支援を組織的に得られるのが、コミュニティスクールである。しかし、郊外や地方の学校では、協力体制を構築することも可能だろうが、都市部の学校ではどうだろう。共働き家庭が多いように思うのだが。命に触れあう機会が少ない都市部の学校ほど、動物飼育に力を入れてほしいと思うのだが、課題はたくさんある。
私が住んでいる河内長野市の小中学校は、全てコミュニティスクールに指定されている。いろんな形で地域住民が学校に関わっている。できれば、動物の飼育も復活してくれる嬉しい。
(注)記事には、ウサギを一匹と表記されていたが、私は、一羽が正しいのではないかと思う。最近は両方が使われるらしいが、北方謙三氏の小説では、確実に「羽」だ。
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