大阪府の総合教育会議で2040年までに府立高校を32校廃校し、104校にすることが決定した。府によると、40年に府内の公立中学校を卒業する子どもの数は、今後15年間で約25%減り、4万9490人になる見込みなので、府立高校の再編が必要という事なのだが、果たして、32校で済むのだろうか?
というのも、私立高校の授業料無償化で私学志向が強烈に強まり、府立高校の定員割れが極端に進んでいるからだ。今年度入試では、79校が定員割れを起こしたのだ。大阪府では、3年連続定員割れを起こせば、再編対象である。再編対象になれば、廃校または複数校による合併・再編という事になる。このまま、私学志向が強まっていけば、80校前後が再編対象になる。2校ずつ合併・再編したとしても、単純に計算して40校がなくなるわけだ。東京都と比較して、大阪府の私学志向は強烈だ。どんどん府立高校はなくなり、私立高校だけが生き残っていく。本当にそういう状況で良いのだろうか。特に普通科高校の教育が私立高校に委ねられていくことになる。大阪府教育庁の影響があまり及ばない私立高校で普通科の教育が行われていくのだ。府立高校で長年勤めた者からすると、危惧を感じてしまう。
中学生の数が減っていくのは、仕方ない。少子化を止めるのはそう簡単ではないのだから。それなら、公立高校も私立高校も淘汰されていく環境が必要なのではないだろうか。良い教育を行っている学校が生き残っていくシステムが重要だ。ずっと言い続けているのだが、公立も私立も同時入試を実施するということを本気で考えないと、後期中等教育の普通科は、私立しかありませんという状況になるのではないかと心配する。
近未来の大阪の教育はどうなっていくのだろう。
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