久しぶりの「司会は、オードリー若林」


5月6日、久しぶりに「司会は、オードリー若林」が放送された。今回は、千葉県袖ケ浦市である。今回のお題はふるさと納税についてだ。袖ケ浦市のふるさと納税がワースト100で、芳しくない。令和6年度の赤字も2億円ということ。それほど大きくない市で2億円の赤字は痛い。それを何とかしたいという話である。会議は「ふるさと納税戦略会議」という仰々しい名前の会議だ。

 詳しい会議の様子は、NHK+で見てほしいのだが、会議を依頼した秘書広報室の秋本さん以外、袖ケ浦市出身の会議メンバーは一人しかいない。会議の主催者の秋本さんとの熱量の差が如何ともしがたい感じだ。

 さて、若林の司会進行だ。彼はまず、「ふるさと納税に関係なく、袖ケ浦市のいいところ」を質問する。この提案は、とても良い。会議の枠である「ふるさと納税」を取っ払うことで、発想の幅を広げようという事だ。自由な発想で袖ケ浦市を見直してみると、意外なモノが飛び出すかもしれないという事になる。実際、番組ではふるさと納税の返礼品になっていないいちご大福やいちご、米というものが出てきた。

 さらに、若林は全く袖ケ浦市とは縁も所縁もない人間である。袖ケ浦市について知らないのである。この「知らない」という姿勢が良い。番組の事だから、事前に袖ケ浦市の事も調べたであろうし、当然番組スタッフも企画会議で調べたはずだ。しかし、会議に臨む若林の姿勢は「知らない」というスタンスである。これが大事だ。会議のメンバーが何かを発言した時、若林が「そうなんですよね、実は僕も事前に少し袖ケ浦市の事について調べてきたんですよ」と発言したら、会議のメンバーは「そうなんだ。それなら、〇〇も知っているかもしれない」と発言することを躊躇してしまう。それよりも、「知らない」姿勢で話をすると、「実は、〇〇もあって、これ、私の推しなんです」と話しやすい。

 実は、この「知らない」スタンスというのは、カウンセリング技法のひとつなのである。「知らない」ことで、クライアントは自分の事を話しやすくなるのだ。若林がこの技法を知っていたかどうかはわからないが、会議後のコメントで彼はこんなことを言っている。「意外に、自分の魅力って自分ではわからないモノなんですよね」と。そうなのだ。自分の良さ(悪さも含めて)は自分では気づきにくいものなのだ。それに気づかせるのは第三者であり、「知らない」姿勢なのだ。

 今回も若林の名司会ぶりが際立った。次回を楽しみにしたい。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP