トランプ関税が世界を翻弄している。やるぞっと言ったり、その13時間後には90日間の延長を宣言したり。更には、スマホに関税をかけないといったら、半導体に関税をかけるという。アメリカ国債の売りが激しくなり、金利が上昇すれば慌てふためく。トランプ政権のやっていることは支離滅裂だ。90日間の関税停止も中国だけは除外し、関税に関するチキンレースを行っているが、中国は「意味がない」と言って、これ以上の関税のチキンレースからさっさと降りた。アメリカは交渉をしたくてしたくて仕方ないようだが、習近平に無視されている。それもそうだ。中国は、対米貿易をトランプの第1次政権時よりも減らしているのだから。中国はしたたかである。
さらに、習近平は東南アジアへ飛んだ。ラオス、ベトナム、ミャンマーを歴訪する。これらの国々は、アメリカから高い相互関税をかけられている国々だ。この相互関税で、東南アジア諸国とアメリカとの貿易は確実に減少する。その空いた隙間に中国が入り込もうとしているのだ。中国とベトナムは、南シナ海の領有をめぐって、諍いが絶えない。ベトナム国内にも反中国感情がある。それでも、習近平をベトナム共産党のトップが迎えたのだ。アメリカの相互関税で、世界経済が減速化する中で、多くの国は生き抜く術を模索している。そこに、中国が近づいているのだ。やるではないか!と思う。日本も習近平を見習うべきではないか。
私は、習近平は大嫌いだし、中国共産党も嫌いだ。しかし、この間のトランプ関税に関する中国の記者会見を聞いていると、少なくともトランプよりは「正しいことを言っている」と思ってしまう。日本に住む私が聞いてもそう思うのだから、このトランプ関税のせいで中国になびく国々は少なくないのではないかと思うのだ。石破政権は、対米交渉に力を入れている。それも大事だが、同時に自由貿易の旗手として日本が世界でリーダーシップを発揮すべきだろう。そして、習近平のように石破首相もASEAN諸国、インド、アフリカ、中南米を歴訪すべきだ。アメリカのトランプ関税で困っている国を訪問し、日本が自由貿易のリーダーですよ!と訴えるべきではないか。利益になるかどうかもわからないアラスカの天然ガス採掘を言っている場合ではない。
野党も協力して、首相をはじめとした閣僚を国会に縛り付けるのは、止めた方が良い。首相をどうしても国会に縛り付けたいのなら、外務大臣や経産大臣を海外に派遣し、日本の立ち位置を示し、日本との自由貿易を推し進めるべきだろう。
習近平に先を越されているようでは、ダメだ!
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