12月14日の読売新聞30面に、「夜間中学 悩む日本語指導」という記事が掲載されていた。大阪府泉佐野市に今年4月に開校した夜間中学校には、生徒69人中9割が外国人の学んでいるという。関西空港で働く外国人の関係で、日本語を学ぶために入学を希望する生徒が多いのだ。ところが、外国人が求める夜間中学への要望とその体制がマッチしていない。同中学の教頭先生が、次のようにコメントしているのは切実だ。
「本来は教科書の内容を教えたいが、日本語の理解が追いつかない生徒が多い。指導経験がない教員も多く、日本語を教えるので精いっぱい」
というのだ。容易に想像できる状況である。
文科省の22年に行った調査によると、全国の夜間中学校に通う生徒の7割近くが外国籍生徒であるという。さらに、日本国籍だが、外国にルーツを持ち日本語学習が必要な生徒も多い。このような状況を改善するために、文科省は25年度に夜間中学校で学ぶ外国人への効果的な指導のガイドラインを策定するらしい。ちょっと待てと思った。日本に働きに来る外国人の多くは、民間の日本語学校で学んでいる場合が多い。その民間学校では、日本語教育能力検定試験に合格した日本語教師が教えているのだ。ちょっと前までは、国語の教師の免許を取れれば、プラスαで日本語教師の免許も取得できたらしいが、今は日本語教師の養成コースを有する大学で学んで資格を取得するか日本国際教育支援協会が主催する検定試験に合格しなければ、日本語教師として教壇には立てない。
実を言うと、日本語教師をめざして勉強した。大学に通えば金も時間もがかかるので、検定試験の勉強をしたのだ。これが、とても難しい。今は半ばあきらめている。また合格率も低いのだ。ということは、外国人に日本語を教えるというのは、かなり難しいということなのである。文科省がガイドラインを作ったからと言って、今まで経験したことがない中学校教師が教えることができるだろうか。それならば、日本語教師の資格を持っている人材を夜間中学校に派遣するということをしてはどうか?そうすれば、外国人のニーズにもマッチするし、質の高い日本語教育を受けることができる。また、中学校教師の負担軽減にもなる。
文科省は、外国人への日本語教育を甘く見ているのではないか!もっと手厚く行うべきだ。
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