見えにくい学力を判定するツール・・・学び未来PASS


 文部科学省が、学力の3要素として、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう態度」を明らかにしてから、なかなか見えにくい「思考力・判断力・表現力」を測定するツールが、教育産業を中心に提供されている。様々なツールの中で、私がお勧めしたいのは、河合塾が提供している「学び未来PASS」である。このツールは、桐蔭学園の理事長である、溝上教授と河合塾が連携して取り組んだトランジション調査の成果をもとに、開発されたものである。

 調査結果は、生徒のタイプを7つのタイプに分類し、個々の生徒の資質、そして学校(学年)の全体像を表す。私が大阪府立高校で初めてこのツールを実施した時、先生方の感想は、こんな感じだった。「日頃何となく感じている生徒の感触が、まさに数値で表されている!」というものだった。このツールの調査結果と先生方の生徒への感触が、一致したのである。問題はここからである。

 この結果を、生徒の成長にどのように役立てていけばよいか?これが教員の弱い所である。目的意識的に活用を意識付けなければ、自発的に活用することは少ない。参考になるのが、兵庫県立加古川東高校の例である。3年間のスケジュールの中に学び未来PASSをどのように活用するかが、位置づけられている。このような方策を立案できる教員に、私はあまり出会わなかったのが残念である。校長がここまで立案しても、果たしてそれを教員が実践するかは疑わしい。やはり、ミドルリーダーの役割が大きいと言える。このミドルリーダーを育てるのも校長の役割と言えばその通りなのだが、これもまた困難なのが、学校現場である。どなたか、ミドルリーダの育成について、教えていただければありがたい。

example-01.pdf (kawaijuku.jp)


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