「遺憾砲」ではダメだ!


 日本の領空・領海への侵犯が相次いでいる。9月23日には、ロシア軍の哨戒機が領空を侵犯した。中国軍が、領空侵犯したことも記憶に新しい。日本の北と南で領空侵犯が相次いでいる。いずれも法の支配を無視する専制主義国家のロシアと中国だ。この両国は、日本海でも共同の軍事訓練を行っており、容易ならざる状況である。
 中国が領空侵犯した時、自衛隊機は警告を伝えるだけで何もしなかった。中国機はかなりの時間領空侵犯しているにもかかわらずである。日本の弱腰外交の象徴だと感じた。今回のロシア軍の領空侵犯に関しては、自衛隊機はフレアを発射している。当然の措置だろう。発射したのは、3回目の領空侵犯の時だ。このタイミングでの発射が妥当なのかどうか、軍事専門家の意見を聞いてみたい。素人には「遅いのでは?2回目に発射すべきだろう」と思えてしまう。
 このフレアの発射に関して、防衛省は「武器使用に当たらない」としている。わざわざ言わなくてもよい。日本国内にある平和ボケした一部の「左翼的平和主義者」の声を気にしているのかもしれない。しかし、領空侵犯については、武器使用も当然想定しうるのだ。若い人たちは、全く記憶に無いだろうが、1983年大韓航空機がソ連領を領空侵犯した時、ソ連機は民間航空機であるボーイング747機を撃墜し、乗客乗員269人が死亡した。その中には、日本人も含まれていた。世界に衝撃を与えた事件であったが、領空侵犯を継続して行った機体については、攻撃もやむを得ないというのが、領空防衛の常識なのだ。当時、私は23歳であったが、日本の平和ボケした感覚にどっぷり浸かっており、「相手は民間機だろう!」と憤った。しかし、領空侵犯を許し続ければ、ソ連機を操縦していたパイロット自身も処分されるのだ。今回は、中国もロシアも軍機であるということだ。何のための哨戒行動かを考えたとき、もっと厳しい対応が求められる。

 日本政府の対応は、いつでも「遺憾」の表明である。言葉での抗議だ。ロシアも中国も「サラミ戦略」を取っている。少しずつ侵犯し、日本が何も実力行使せず、「遺憾、遺憾」と言っているだけでは、さらにサラミを切ってくる。いい加減、平和ボケから日本は目覚めなければならない。中国での小学校男児の殺害、i-soon社からの漏洩から発覚した中国の「認知戦」、中国・ロシアの脅威は、あれよあれよという間に迫ってくる。


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