加速する読書離れ

,

 文化庁が17日に発表した「国語に関する世論調査」で読書離れが加速していると報道があった。新聞には「切り取り型」があるので、文化庁のwebpageから発表データを取得し、自分なりの切り取り型をしてみた。
 まずは、1カ月に大体何冊の本を読みますかという質問である。「読まない」と「一冊以上読む」で大別すると、2008年からの5年ごとの調査で、ビックリするような事実が浮かび上がった。5年前の2018年までは、ほぼ横並び状態であったのが、2023年調査では、「読まない」が急増、「一冊以上読む」が急減しているのだ。それを示したのが、次のグラフである。

 次に読書量が減っている理由を聞いた結果である。これもびっくりするが、スマホやPC、タブレットなどの情報機器に時間が取られるが、うなぎのぼりである。「仕事や勉強が忙しい」が急激に減っており、その時間をスマホやPCに使われていることがわかる。それを示したのが次のグラフである。

そして、「今後読書量を増やしたいか」という質問に対して、「そう思う」という人が減少傾向にあり、肯定的な意見が減っている。逆に否定的な意見が増えているのだ。それを示したのが、下のグラフである。

「オイオイ!これでいいのか日本人!」と言いたくなる。確かに、電車に乗っていても本を読んでいる人は、自分も含めて3人以上見ない。ほぼ全員がスマホに目を落としているのだ。文化庁の担当者が、「ネットやSNSの文章は短く、簡単に読めてしまう。本でまとまった量を読むことは、思考力を身につける上でとても重要だ」とコメントしている。まさにその通りだ。そこで思うところだが、現在学校現場では、「思考力・判断力・表現力」を伸ばす探究学習が推奨され、様々な実践が行われている。この教育活動が、読書活動にプラスの作用を及ぼすはずだ(と思いたい)。次の2028年の調査では、この教育活動の影響の成否が出るはずである。ある意味、楽しみである。今回は、年代別の調査結果は紹介していないが、次の調査結果では、現在の学習指導要領で学んだ若者の読書に関する変化を見てみたい。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP