なぜ備蓄米を出さない!

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 相変わらずコメ不足が続いている。10日ほど前に、たまたま業務スーパーで買い物をして帰ろうとしたところに、卸売業者が入庫してきて、なんと奇跡的にコメをGETできた。5kgで2000円余りで、今までよりも高いとはいえ、他のスーパーで販売している米よりは高くない。河内長野市内のスーパーにも米は並び始めたが、とにかく高い!5kgで3500円は優に超える。通常の価格の1.5倍以上である。さすが、買おうとする人も少ないようだ。何せ、新米の収穫が始まっており、この新米が流通すれば価格も安定するだろうと踏んでいる。需要と供給の関係で価格が決まるというもっとも基本的な経済法則を考えると、米を今買うのは得策ではない。
 父親の老人ホームに行った帰りに、富田林の滝谷(日本三大不動で有名な滝谷不動の近隣)に新しいスーパーができていたので、寄ってみた。なんと、8kg、3200円、キロ当たりに換算すると5kg2000円でお米を売っていた。残りひとつだった。これで、当面、お米の心配はないだろう。ちょっと安心だ。やはり、米が無いとなると、不安感が増すのは、日本人なのだろう。

 ところで、このコメ不足問題について、土曜日の「正義のミカタ」で取り上げられていた。レギュラーのメンバーからは、「なぜ備蓄米を出さない」という意見がひっきりなしに質問される。当然だろう。こういう時こそ、国民のために備蓄米を出さなければならないというのは、当たり前の感情としてある。何も備蓄米を全部放出しろというわけではない。足りない分を市場に出せばよいわけである。ところが、農水省の言い分は、「備蓄米を出せば、相場が崩れる」というものだ。ちょっと待てと言いたい。高い価格で米を買わされる消費者の身にもなれよと。相場が崩れて米の生産者に不利益が出るようなら、それこそ政府が補助金を出せばよいわけである。しかし、出さない。アメリカやフランスは、農家の収入の1/2が補助金だという。そうやって、農業大国として自給率を維持し、国民の生命と健康を守っているのだ。ところが、日本の場合、農家の年間平均利益は1万円というではないか。農業をやっても儲からないのだ。現在の農家の平均年齢は68歳、専業農家に至っては、71歳を超えている。今後10年間で日本の農家は壊滅する危機に立たされているのだ。今年の米不足問題どころではない。

 自民党の総裁選で、小泉氏らが「解雇制度の緩和」を訴えていた。オイオイ、何を言っているのだと思う。まさに自民党がどの階級の利益を代表している党かがよくわかる。経営者サイドから見て、「不要となった労働者を解雇しやすくするように緩和する」というものだ。どこを見て政治をやっているのかと言わざるを得ない。今の米不足問題に言及している総裁候補者はどれだけいるのだろうか。


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