河内長野市総合計画を考えてみたーその1

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 8月25日の河内長野市総合政策課主催のワークショップで、今後10年の総合計画を考えた。以前にも述べたが、ワークショップは、ポストイットに自分の考えてきたことを書きこみ、模造紙に貼って披露してからKJ法に基づいて議論を進めていくというものだった。ワークショップによくあるパターンだ。この方法は、ワークショップに参加したもののコミュニケーションを促進し、一つのものを完成させるという意味では優れている。その一方で、結論が参加者の意見の最大公約数に集約されていくという欠点もある。つまり、奇抜なアイデア、マイナーな意見というのが、議論の中でこぼれていく可能性が高いのだ。
 今回のワークショップでは、私が属した班での討論では、私が提案した案が最終的に選ばれ、その案をベースに議論が進められた。しかし、私はほかにもいろいろと考えていたので、この場で披露したいと思う。

 まず、大きなコンセプトとして、次の事を考えた。河内長野市は消滅可能性自治体と認定された。さらに、ダイヤモンド編集部の「将来財政窮乏度ランキング」では、人口5万人以上の自治体で全国1位にランクインしてしまっている。この問題をどのように解決するのかというのが、今後10年間の河内長野市の課題になる。そこで、次のコンセプトとして、定住人口・関係人口・交流人口という3つの切り口で、それぞれの増加・伸び率をいかに高めるかということを考えた。今回は、定住人口の増加をいかに図るかをテーマとしたい。

 前にも紹介したように、河内長野市へ移住する方は、増えているらしい。それも子育て世代、ファミリー層が増えているのである。良い傾向だ。そこで、さらにこの移住を促進するために、3つの事を考えた。
 1.他市に負けない子育て政策
 2.他市に無い特色ある教育
 3.安全・安心の町の鮮明化
である。まずは他市に負けない子育て政策は、最低限打ち出さなければならないだろう。出産から未就学児童のへの支援、小児医療の補助、学校給食、修学支援など多岐にわたる。この施策で成功した明石市を参考に、隣接する大阪狭山市・富田林市を上回る施策が必要だ。また、河内長野市は犯罪が大阪一少ない街でもある。この点は、大きなウリであると思う。子どもを育てるうえで、事件や事故に巻き込まれることが少ないというのは、とても良い環境である。更に、河内長野市は地震にも強いのだ。地層を調べてみると、かなり硬い岩盤が河内長野市を覆っている。南海トラフ巨大地震が予想される中で、津波も来ない河内長野市は安心度が増す。それに、他市は淀川水系から水道水を取得しているが、河内長野市は石川から約70%の水を取得しているのだ。地震災害で生活基盤の一つである水の確保の可能性が高いのも河内長野市の大きなウリと言える。

 さて、定住人口の増加で、私が一番言いたいのは、特色ある教育の推進だ。その特色とは、全市公立学校での国際バカロレア(以下、IB)の導入である。国際バカロレアについては、詳しくは文科省のwebを見ていただきたいが、最もその特徴を表しているのが「10の学習者像」である。

探究する人
知識のある人
考える人
コミュニケーションができる人
信念をもつ人
心を開く人
思いやりのある人
挑戦する人
バランスのとれた人
振り返りができる人


日本では、学校教育目標に「〇〇な子(生徒)」と掲げているが、それを実現するための具体的な学校経営や仕組みが考えられていないことがほとんどだ。しかし、IBは違う。この「10の学習者像」を実現するために、様々仕組み、カリキュラム、実践がなされるのだ。すでに日本では、IB認定校は、200校を超えている。高知県香美市は、大宮小学校と香北中学校がPYP、MYPに認定され、探究学習を中心にした特色ある学校教育が展開されており、中山間部にあるにも関わらず、移住者が増えている。
 大阪府でも国際バカロレア認定校はあるが、町まるごとIB校という自治体はない。現在施行されている学習指導要領は、IBをモデルにしているとも言われており、もし、IBが全公立学校に導入されれば、大きな特色となる。以下、IBについてのサイトのURLを示す。

文科省IB推進コンソーシアム
高知県香美市の実践

 次回は、関係人口の増加について述べたいと思う。



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