いっその事、同日入試は?


 大阪府教育庁は、府立高校の一般入試を数週間前倒しして、現在行われている特別入試の時期に実施する。早ければ、2026年度入試から実施らしい。これに対して、私立学校側は強く反発している。「府立が入試を早めるなら、私立はさらに入試を早める」とまで発言している。受験生のこと、中学校での教育を考慮しない暴言であろう。いつ入試を実施するかは、私立学校にとっては生徒の獲得にとって極めて大事なことである。昔、兵庫教育大学附属中学校の入試を1週間早めただけで、兵庫県の私立学校の団体理事から呼び出しを食らった。わずか、120名の募集で、それも長年にわたり定員割れを繰り返していた都市部にはない附属中学校であるにも関わらずである。どれだけ、神経質なのかと思う。

 このまま、入試日程をどうするかという議論をしていては、不毛な議論が繰り返されるだろう。受験生や保護者も振り回される。そこで、いっその事、大阪府では公立高校も私立高校も同日入試してはどうかと思う。制度はこんな感じだ。
 1.公立高校・私立高校の入試を同日に実施する
 2.出願は、第一希望・第二希望を出願できる。
 3.入試の時期は、現在の私立高校の入試時期である2月中旬に実施する。
 4.2月下旬から3月上旬に2次入試を実施する。

というものである。この制度の理由は、就学支援金という府民の税金が私立高校に流れ込み、私立高校の経営が公立化していることである。この就学支援金制度で私学が無償化されたことにより、今年度の入試で公立高校の約半分の学校が定員割れをした。大阪府では、3年連続定員割れをした公立高校は再編対象となり、合併・廃校になる。私立高校は、入試時期が公立高校よりも早いことで生徒が獲得できているが、もし同日入試になれば定員割れを繰り返す私立高校もあるのではないか。この就学支援金という税金が私立高校に流入されることで、
   大阪府が私立高校を守る護送船団方式
になっていると言わざるを得ない。私立高校も公立高校も互いに切磋琢磨し、教育力を高めることで大阪府の教育力を向上させることが必要だ。府民から見放された学校は、公立私立関係なく「退場」してもらい、税金の無駄遣いはやめるべきだろう。そのためにも生徒獲得競争で、公平な制度が必要だ。これから、少子化が加速度的に進んでいく中で、公立高校だけが高校教育から「退場」していくようでは、大阪府の高校教育は歪と言わざるを得ない。魅力ある、府民から支持される高校が生き残っていく、そんな制度設計が必要だ。

 まあ、これを実現するには、かなりの政治力が必要になるだろうが、教育に興味がないという吉村知事も、ちょっとは教育に関心向けてほしいものだ。橋下氏はどう思っているのだろうか?


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