大阪府のALT数は最下位

,

 面白い本を手に入れたと前に書いた。「新データで読む地域再生 『人が集まる県・市町村』はどこが違うのか」である。この本のデータを見ていると、つくづく、「地方地方で、いろいろ頑張っているんだな・・・」と思う。この本を買った動機は、私が住む大阪府河内長野市が消滅可能性自治体に指定されたためである。私の仕事柄、教育について詳しく見てみると、面白い(実際は面白くない)データを見つけた。人口10万人当たりのALT(外国語指導助手)の人数である(2021年度統計)。なんと、大阪府は最下位なのだ。まずは、次のグラフを見てほしい。

 ダントツに人数が多いのは、福井県である。この本にも福井県の英語教育は歴史が長く、高校入試にリスニングテストを導入したのも、福井県が一番早かったらしい。英検2級以上相当の英語力を持つ県内高校生は60%弱と全国1位。低い県とは、20ポイント超の差がある。中学生も英検3級以上は85%超と、他の都道府県を圧倒しているという。このような英語教育を受けた学生たちは、海外で活躍する人材も多く、駐ウクライナ日本大使の松田氏も福井県の県立高校出身である。
 ところで、大阪府は、47都道府県で唯一ALTの人数が10人を割っているのだ。言わずもがなの事であるが、読む・書くに加え、聞く・話すの4技能を重視する英語教育では、ALTの役割はとても大きい。ネイティブが話す英語に早くから慣れること、「英語耳」になること、そしてすっと英語が口から出るための「英語脳」が必要なのだ。日本人の英語教師も頑張っている人はいる。しかし、受験英語ばかり教えていて、聞く、話すが不得意な英語教師もいる。英語の授業を英語だけで頑張っている教師もいるが、長年日本語で英語の授業をしているために、教師自身が「英語脳」になっていないのだ。校長の時、授業見学していたら、素人でもそのことがわかってしまう。英語教育にALTは必須なのである。
 さて、大阪府教育委員会は、この事態をどうするのか?今後を注視したいと思う。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP