橋下氏評、「石丸氏は、熱量だ」


 石丸伸二氏の都知事選である。今日の日曜報道に石丸氏が生出演していた。番組スタッフの切り方は、石丸氏の選挙の在り方を、「SNS選挙」「「ネット型選挙」という見方で切り取っている。逆にマイナス要素として「政策を語らない」ということを最大の弱点として挙げている。そして、結論として、石丸氏が組織も持たずに165万票も集めたことにより「選挙の在り方が変わるのではないか」と結論付けているのである。わかっていないな…と思う。

 NPO法人の大空氏も出演しており、石丸氏の選挙戦術について印象操作的なコメントをしていたが、番組レギュラーの橋下氏は、「そうではない。石丸氏には、圧倒的な熱量がある。それが有権者に届いたのだ」とコメントしていた。橋下氏のほうが、今回の石丸氏の選挙の戦い方を理解している。石丸氏は、公約は掲げているが、街頭演説では、確かに本質しか語らない。これは、石丸氏が目的意識的に行ったことだ。具体の政策を目的意識的に語っていないのだ。これに対して、土曜日の「正義のミカタ」の番組レギュラーの京都大学大学院の藤井教授は、「日本の選挙もここまで落ちたか。日本の民主主義は危機の中にある」とコメントした。これも全く理解していない。藤井教授の批判はこうである。「選挙で人を選ぶときは、二つある。信用のおける人間であること。そして、政策である。しかし石丸氏は、ネットを使った印象だけの選挙で165万票も集めた」と。

 前にも書いたが、どんな選挙でも日本の投票率というのは、海外と比較するととても低いと言われている。国民の政治意識の低さの現れである。既存政党に、魅力を感じない、何を言っても変わらない、言っていることが難しすぎる、論点がわからない、などいろいろな理由があるだろうが、「所詮、政治と私たちの生活は無関係」ということが根本にあるのだ。だから、日本の最大「政党」は、無党派層なのだ。藤井氏の言うように、明治・大正・昭和の時代は、無党派層はそれほどでもなかった。平成になって一度民主党への政権交代が起こった。しかし、民主党の失敗は、日本の政治史に致命的な汚点を残してしまった。だから、その後も自民党政権が続いているのだ。しかし、ドンドン、ドンドン生活が苦しくなり、重税感が増す中で、「政治とカネ」の問題の発生である。その解決方法も最悪だ。だから、石丸氏は言うのである。「政治に関心を持たないと、変な政策が出てくる」と。だから、石丸氏は、「都政のみえる化、透明化」を政策の「一丁目一番地」に掲げるのだ。これが、無党派層には、最大の政策として映ったのである。「自分たちが、政治に関心を持たないから、今の生活がある。今の日本がある。政治に関心を持とう」と思わせたのだ。そうでしょう、政治にあまり関心が無いから「無党派層」なのだから。彼らに最も重要なことは、政治に関心をもち、参加してもらうことなのだ。だから、石丸氏の主張は、拡散するのだ。

 SNSをうまく使ったからと言って、何でもかんでも拡散するものではない。石丸氏の主張が無党派層の心に火をつけたから、拡散し、支持し、石丸氏に投票し、165万票になったのだ。これを橋下氏は「石丸氏の熱量」と表現したのだ。もし、マスメディアの言うように、石丸氏の成功が「SNSの駆使」だけだとして、次期国政選挙で既存政党がそのまねごとをやったところで、大きな失敗をするに決まっている。なぜか、既存政党は、既存の政治体制を構成することにすでに組み込まれているからだ。この政治体制を、ぶっ壊すぐらいのことを言わないと既存政党には支持が集まらない。昔、小泉純一郎氏は「自民党をぶっ壊す」といって、絶大なる支持を得た。それぐらいの熱量がなければ、支持は集まらないだろう。黒塗りの領収書を是認したり、10年後の開示を言っているようでは、維新も改革政党の旗を降ろさなければならないだろう。

メディアも、本質を見てほしい。


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