定員割れでも不合格?!

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 3月29日の朝のNHKニュースを見ていた。静岡県で重い脳性まひの生徒が、普通科の高校で勉強したいと高校受験に臨んだ。希望している高校は、定員割れであるにも関わらず、不合格であった。ニュースを見ながら、そんなことはあり得るのかと思った。ところが、全国で定員割れなら全員合格としている都道府県は、東京都や大阪府、兵庫県など、少数派であることが分かった。文科省もむやみに不合格者を出さないとしながらも、定員割れでも不合格者を出すことを容認している。各都道府県で方針が違うのだ。

 「フーン」と思いながら、新聞を読んでいると、読売新聞のスポーツ欄に「球春 聖地へ『夢中兄弟』」というタイトルで、野球に青春をかける兄弟の話が掲載されていた。兄は野球の名門校に進学し、障がいがある弟は、共生推進教室がある大阪府立高校に進学し、野球をしているという話だ。同じ日に全く違う内容の話が報道されていた。この読売新聞の記事も、地域版ではなく、スポーツ欄であるというところがミソだろう。「共に学び、共に学ぶ」という大阪府の実践が、スポーツ欄で紹介されたのである。

 それにしても、静岡県をはじめ、定員割れでも不合格者を出している他の自治体は、どのように考えているのだろう。確かに、学習レベルの違う生徒が教室にいると、教師が教えることに努力が必要だ。しかし、義務教育では様々な生徒が同じクラスで勉強していることは当たり前の事ではないだろうか。少子化が進み、地元の高校に進学する生徒は、益々減少していく。定員割れでも不合格者を出すなどということをしている余裕が、高校にあるとは思えない。もっと、地元の生徒達を大切にすべきではないかと思う。


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