学校関係者評価―生徒指導・教育相談


 今回の学校関係者評価は、生徒指導・教育相談に関してです。まず、生徒指導ですが、次の設問に注目することが大事です。
                「学校生活について先生の指導には納得できる。」
です。この肯定感がどれだけの値になるかで、その学校の生徒指導の状況が割と判断できます。肯定感が80%以上であれば、生徒指導の方針と生徒の意識がマッチングしている割合が高いと言えるでしょう。80%を下回ると、徐々に「?」が付いてきます。60%を切ると、危機感を持たなければなりません。生徒の納得感が低いわけですから、生徒指導の在り方をもう一度見直すことが必要です。
 ところが、いわゆる「教育困難校」では、この見直しというのがとてもやりにくいというのが現状です。「教育困難校」はまさに、「教育が困難」な学校です。学校現場を知らない人には、想像が難しいかもしれませんが、教室で授業を行うという学校の最も基本的な機能が、日常的に困難な状況なのです。このような学校では、先生は学校の機能を維持するために相当な努力をされています。「心を病む」教師が発生することもよくあるのです。私が勤めた学校でも、よく「サザエさん症候群」という言葉が教師間で交わされました。何のことかわかりますか?日曜の夜、サザエさんのオープニングの歌が聞こえてくると、「あーー明日も学校に行かなければならない・・・」と心が憂鬱になる症状です。このような学校でどのように生徒っ指導を見直すか、校長としても相当な覚悟が要ります。
 次に教育相談です。今では当たり前のように教育相談機能が学校に求められ、スクールカウンセラーが学校に設置されていますが、この動きはわずか20年ほど前からです。生徒指導の範疇で言えば、新しい分野と言えます。私は30代から教育相談活動に関わり、独力で「解決思考におけるブリーフセラピー」を勉強しました。(これについては、また別のブログで触れたいと思います。)この頃は、カウンセリングの世界で主流のロジャース的手法が直接学校に導入されることもよくあり、学校現場が混乱したことがあります。
 さて、教育相談の設問ですが、大体多くの学校は、「本校は、悩みや相談に親身になって応じてくれる。」というような内容を設定します。これによって分析できるのが、教師と生徒の距離感です。小学校や中学校と比べて、高校の教員は生徒との距離間を割と取りたい傾向があります。教科を中心に力を注ぎたい教員が多く、クラス経営に力を入れたり、個々の生徒の成長に寄与しようと考える生徒は、小中学校に比べて少ない傾向があるようです。この設問は、この生徒と教師の距離感がどのような状況になっているのかを測る良い、設問と言えるでしょう。


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