願書出し忘れ


 福岡県の私立博多女子中学校で、願書の出し忘れが起こった。この事案を巡って、ワイドショーでも議論が交わされている。願書を出し忘れたのは、組合立の高校らしい。全国で3校しかなく、そのうちの1校は2025年度末に閉校が決まっているらしい。この組合立の学校が、福岡県立の高校よりも願書の提出が早かった。博多女子中学校の教師が県立高校と混同してしまい、出願が間に合わなかったのだ。下記の記事が詳しく伝えているので、読んでいただきたい。

 ここで、疑問に思うのが、次の2点
1点目。今回の事案については、生徒及び保護者に一切瑕疵はない。それにも関わらず、最大の被害を被ったのは生徒とその保護者だ。このような場合、配慮されないのかということだ。どう考えても配慮されないことがおかしい。中学校側と高校側と協議を行い、願書を受理すべきだろう。
2点目。なぜ願書を中学校側が出すのかという問題だ。私は大阪府で願書を受け取る側の高校で勤めていたが、大阪府では願書はすべて生徒または保護者が持参していた。ネット出願さえ導入されようとしている中で、中学校がまとめて願書を出すというシステム自体がおかしい。もし、生徒の出願というシステムで起こったミスならば、それは生徒と保護者に責任があり、中学校サイドには無い。こんな事案も発生しない。

 文科省は、一度全国調査をすべきだろう。私が以前に勤めていた兵庫県でも、願書は中学校がまとめて教師が出していたと記憶している。文科省も、このように生徒に瑕疵がない場合は願書の受理を柔軟にすべきであるとするか、願書は生徒または保護者が原則提出するとかにすべきだろう。そうすれば、中学校の負担も減るし、生徒・保護者の責任も明らかになる。

 それにしても「和解金30万円、納得しないから50万円」という話は酷い話だ。中学生の将来、少なくとも高校3年間の値段がこの程度と判断したのだろうか。実際、裁判になって慰謝料となると、この程度が妥当なのだろうか。生徒の将来を考えると、あまりにも安すぎる。この対応が、益々問題を複雑化させている。

博多女子中「願書出し忘れ」を教頭が弁明「気の緩みがあった」…背景には「願書の一括提出」福岡独自の事情も


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