トランプとムッソリーニ


 トランプ前大統領の発言が、物議を醸している。というか、こんな輩をアメリカの大統領にしては、絶対だめだ。何を発言したかというと、大統領在任中当時、NATOの加盟国の首脳から「十分な軍事費を負担していない加盟国がロシアからの攻撃を受けたとしてもアメリカは防衛しないのか」という趣旨の質問に対して、「防衛しない。むしろロシアに対して望むようにするよう促す」と答えたのだ。これをなんと、南部サウスカロライナ州で開いた選挙集会で、自らが述べたのだ。それも自慢げに!ロシアにヨーロッパ諸国、とくにバルト三国やポーランドへの侵攻を自ら促したのだ。こんな輩は、絶対にアメリカ大統領にしてはダメだ。しかし、もしトラどころかほぼトラとまで言われている。2024年アメリカ大統領選以降、世界がどうなるのか、混とんとしている。

 NHKBSでプロファイラーという番組がある。岡田准一氏がMCを務める番組で、それなりに面白い。興味のある内容は見るようにしている。昨日、ムッソリーニを取り上げた番組をやっと見ることができた。この番組で初めて知ったのだが、
・ムッソリーニはもともと社会主義者だったこと。
・ファシズムとは、ファッシ(結束)という言葉から生まれていること
というのだ。彼が、社会主義者から全体主義者に転向する契機になったのが、第一次世界大戦だ。各国の社会主義者が、参戦支持、自国の勝利を打ち出したことによる。どうも、心情的には「裏切られた感」があったのではないか。
 さて、なぜムッソリーニか?彼の話を聞いていると、どうしてもトランプと重なる。共和党の動きもファシスト党のそれと重なって見えるのだ。ムッソリーニが打ち出した「ローマ帝国の再興」も、トランプの「Make America Great Again」と重なってくる。上記の発言をした選挙集会でも、トランプの発言に、支持の歓声を上げる聴衆は、まるでムッソリーニを支持する黒シャツ隊だ。

このトランプの発言に対して、NATOもホワイトハウスも反発のコメントを発した。当然だろう。問題は、共和党だ。そして、トランプを支持する「岩盤層」だ。正常な判断と良心を取り戻せと言いたい。アメリカの民主主義は、ファシズムに取って代わろうとされているのだ。


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