集団避難を自立への一歩に!

,

 今週になって、能登半島地震によって被災した地域の学校の情報が入ってきた。避難されている方々がいる学校で授業が始まる小学校では、体育館に児童が集まって、「共に頑張りましょう!」と挨拶をしていた。昨日(1月12日)には、大学入学共通テストの受験に向けて学校を出発する高校生の様子が報道されていた。エールを送る校長先生の顔には、無精ひげが生えていて、校長先生自身も被災された中でのエールなんだと思う。校長先生の顔には、笑顔でそして元気に送り出してあげようという気持ちが表れていたが、やはりその顔には疲労が浮き出ていたように思う。本当に大変だ。心からエールを送りたい。

 今回の地震で新たな取り組みが行われた。石川県輪島市で中学生を対象にした集団避難の試みである。学校再開がおぼつかない中での苦渋の決断だろう。特に中学3年生にとっては、高校受験を控えており、少しでもましなところで勉強したいと思う。わずか3日で「行くか、行かないか」を決断するということが、非難めいた見出しで報道されていた。親からすると、とても不安だろう。中1の子どもを持つ親は、
             「子供だけで、親の目が届かない遠くへ行かせるなんて。不安だ。」
と集団避難を認めなかった。ところが、多くの生徒達が親戚の家に避難している状況で、同じ避難所にいる中学生は5人ほど。子どもが「友達に会いたい。勉強したい」と集団避難を決断した。確かに親の気持ちからすると、不安がいっぱいだろう。親自身が先行きが見えず不安なのだから。だが、ここはひとつ、子どもに「旅」をさせてはどうだろう。昔から「かわいい子には旅をさせろ」と言われている。子どもの自立を促進するための格言だ。子どもは、意外に大丈夫だ。不安に思ったり、親に会いたくなったりするだろう。だが、中学生という時代は、子どもから大人への変革期でもある。中学校が無い離島などでは、小学校を卒業してすぐに家を出て中学校に通う場合もあるのだ。兵庫県立大学附属中学校では、中学生対象の寮も用意されている。ここはひとつ、親も子どもの背中を押してあげてはどうかと思う。集団避難が終わって、地元に戻ってきたとき、絶対と言っていいほど生徒たちは逞しくなっている。トラブルもあるだろう。けんかをするかもしれない。だけど、そういうことを乗り越えてこそ大人になることができるだ。

 集団避難する中学生の皆さんへ! がんばれ!これから色々あるだろうが、乗り越えていくのはみんなの力だ!乗り越えられない壁はない。力を合わせてみんなで話し合えば、解決の道筋は必ず見える。そして、この集団避難が終わったころには、君たちは見違えるほど成長している!そして、この経験は必ず将来に役立つ。だから、ガンバレ!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP