アメリカは信用できるのか?


 今日は12月31日、2023年最後の日である。朝から新聞を読んだ。大きく取り上げられていたのが、スウェーデンのNATO加盟である。スウェーデンがNATOに加盟することで、バルト海における対ロシアの力関係が大きく変わるという内容だ。バルト三国にとっては、本当に心強いことだろうと思われる。是非、早期にNATO加盟を果たしてほしいと思う。トルコやハンガリーでさえ、NATOに加盟しているのだ。スウェーデンのNATO加盟に何が問題があると言うのかと思ってしまう。
 その同じ紙面に「ワールドビュー」が掲載されていた。テーマは、「試練の『米国特例主義』」であった。簡単に言うと、「米国の民主主義は、その建国の歴史の特殊性から生まれた善の象徴であり、各国が手本とすべきだ」ということだ。確かに、アメリカ独立宣言は、フランス革命と同じように民主主義の象徴だ。しかし、今のアメリカはどうだ。民主党支持者と共和党支持者の間には「会話が成立しない」とまで言われている程、分断が進んでいる。そして、何よりも民主主義の象徴でもある連邦議会にトランプ支持者が乱入するという事件まで起こしているではないか。そして、乱入を扇動したトランプは、共和党内でいまだに高い支持率を得ている。本当にアメリカ人は、民主主義を理解しているだろうか。

 昨日、本屋に行って中央公論を買った。特集が、「独裁は選挙から生まれる」という刺激的なテーマだからだ。特集の冒頭、吉田氏と東島氏の対談が掲載されていた。なかなか面白かった。吉田氏が面白いことを言っている。「民主主義には、理念だけではなく、人々の愛着が必要である。愛着が無ければすぐに衆愚政治に陥ってしまう」というのである。なるほどと考えさせられる。この言葉をアメリカ国民にも投げかけたいと思う。

 南アメリカがイスラエルを国際司法裁判所に「ジェノサイド」の罪で提訴した。よくやったと思う。ウクライナ侵攻でロシアを非難しながら、イスラエルを支援するアメリカ。第二次世界大戦後と同じことをアメリカはやっている。そんな姿勢は、ロシアや中国などの専制主義国家の批判の的になっているし、その批判はアメリカのダブルスタンダードとして的を得ている。問題は、グローバルサウスである。こんなことをアメリカが行っていれば、グローバルサウスはアメリカを支持しない。それでなくても、アメリカをはじめとした西側諸国の帝国主義的政策のために虐げられてきた歴史を持つのだから。

 アメリカは信用できるのか?2024年の大統領選挙、まさにアメリカ民主主義の真価が問われる選挙になるのではないか。


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