予想以上にヒロシマサミットは良い!


5月19日からG7ヒロシマサミットが始まった。開催前は、政局に絡んだ報道が多く、岸田首相の地元での開催から政権浮揚や衆議院解散などの報道が目立ったが、G7首脳らが広島に到着し、原爆資料館の視察、平和公園での献花をみていると、このヒロシマサミットというのは、とても歴史的価値があると思えてきた。それは、なによりも核保有国の首脳が、「核を使った結果を目の当たりにみる」ということに意味がある。これこそが、世界で唯一の被爆国である日本ができることであり、そしてやらなければならないことだ。
今回、原爆資料館での視察の様子や、G7首脳の視察後の感想、肉声は伝わってこなかった。ある意味仕方のないことである。世界は、核軍縮、核廃絶の方向に動いているわけではなく、まさにその逆の「核が使用されるかどうか」の瀬戸際にあるからである。このようなときに、世界のリーダーの一角を担うG7首脳が、軽々に発言することは難しいと言わざるを得ない。アメリカのバイデン大統領は、自身は「核軍縮派」と言われているが、さすがに視察後は沈黙を守った。唯一の核使用国であるだけでなく、中ロ・北朝鮮と対峙するアメリカにとっては、大統領の発言で国内世論はもとより、世界に大きな影響をもたらすからだ。
ただ、G7首脳も今回の原爆資料館の視察や被爆者との対面を経て、感ずるところは大いにあっただろう。一国を背負って立つリーダーは、そうでなければならない。多くの人々の命を預かる身だからだ。たとえ、沈黙があっても行動で示してほしい。自国に戻ったときに、言葉で訴えるか、行動で訴えるか、何らかのアクションを示してほしいと思う。そうでなければ、原爆資料館を訪れた意味がない。まさに今、重要なことは、「核を使わせない!」ということだ。核を使えば何が起こるか、このことを今回のサミットでG7首脳は学んだと思いたい。


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