3月29日の読売新聞の人生案内に「60代で念願の教員 心構えは」というタイトルで、相談が寄せられていた。病院事務職員の60代の男性が、転職活動を始め、私立高校の国語の常勤講師に採用され、4月から教員として働くことになったという。20代の頃は教職をめざしていたが、不採用が続いたために教職を諦めたが、念願適ったということらしい。そこで、教員になるにあたりどのようなことに注意したらよいだろうかという相談である。
これに対して、教育評論家の尾木氏が次のように回答している。
①国語の教材研究を徹底して行うこと
②高校生の「今」をリアルに把握し、感覚レベルで理解できるようにすること
③40年前とは、学校現場は激変しているのでこの点にも注意
という3点である。教科指導、生徒指導において大きくは離れていないアドバイスである。
あえて付け加えるとすれば、私なら次の点を付け加えたい。生徒にとって、教壇に立つ教員は、20代でも60代でも生徒から求められることは同じである。ということ以上に、60代の教員の容姿をみれば、生徒は「ベテラン教員」という見方をするだろう。だから、求められるハードルはとても高いと言わざるを得ない。だから、尾木氏のアドバイスにもあるように教材研究を徹底して行うことが非常に重要である。特に、国語という教科は、教材研究がとても重要である。同じ教材を使っても、教える内容、深み、幅が全然違うと言える。私は校長として、多くの国語教師の授業を見学してきたが、教える教師によってこれほど違うのかと違いが出るのが、3つの教材だと思っている。一つは、夏目漱石の「こころ」、二つ目は、森鴎外の「舞姫」、そして最後は古典の「源氏物語」である。
まずは、徹底して教材研究を行ってほしいのだが、そのためにも勤務する学校の同僚の先生方の授業を見学することをお勧めしたい。国語科の教員はもちろんのこと、他教科の先生でも生徒の評判が良い先生の授業を見学することである。そうすれば、生徒の気持ちをつかむコツが見えてくる。私が管理職を務めた学校で、数学の先生が、担当しているクラスの音楽の授業を見学されてビックリされたということがあった。数学の授業で下を向いてばかりいる生徒が、活き活きと音楽の授業に参加していたというのである。その音楽の先生は、生徒の評判も高く、信頼も厚い先生なのだ。
とにかく、60代から教員を始められるというその勇気を応援したい。私は10年以上管理職をした後で、通信制高校で授業を持つことになった。教職をずっとして来た者でも、久しぶりの授業は緊張するものだ。まして、初めての教壇となれば、尚の事である。失敗を恐れず、積極的に教職を楽しんでほしいと思う。
今日は4月1日、新しい教職人生、始まりますね!

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