12月5日、大阪府教育委員会が、現在の中学1年生が受験する2028年度の公立高校入試の新制度を巡り、新たに導入される「学校特色枠」について、求める生徒像や選抜方法を府のウェブサイトに公表した。どのような入試制度であるかについては、下部のwebから確認していただきたいが、概略は、読売新聞が提示した次の図になる。

この制度は、府立高校の特色化に向けて、各校が求める生徒像「アドミッション・ポリシー」に合致する生徒を、各校独自の方法で優先的に合格させる制度だ。大阪府教育委員会の資料では、
・特に求める具体的な生徒像
・重視する観点
に加えて、区分、募集割合、選抜資料、選抜方法が示されている。府立高校全体でどのような特別枠になっているのか、データをグラフ化してみた。
まずは、「区分」についてである。

全体を見てみると、「学科等への適性」と「学校生活への意欲」で80%に達している。普通科における「学科等への適性」は、30%強にとどまっているが、専門学科・総合学科等は、「学科等への適性」は、普通科の倍以上になっていることにはうなずける。
今春の府立高校入試で、半数の高校が定員割れを起こした普通科の高校では、この入試制度を活用して、学校の特色化=魅力化を図ることは必須である。ところが、「学科への適性」+「学校生活への意欲」+「文化・体育活動」で92.3%に上る。これで特色化を図れるのだろうかと、大きな疑問を持たざるを得なかった。
普通科で「探究活動」を特別枠に設けたのは、3枠、2校に留まる。探究学習は、新しい学力観の中で、重要な位置を占める学習活動だ。その特別枠が2校で3枠というのは、如何にも寂しい。府立高校の普通科で、探究活動が活発でない証左であろう。府教委が探究活動にあまり積極的に力をいれてこなかったことが、このような結果を招いたと言える。
次回以降、もう少しこの特色枠について論じてみたいと思う。
https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/112637/r071128_r10gakkotokushokuwaku.pdf

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