私は、毎月ユニセフに3000円の寄付をしている。マンスリーサポートというものだ。すると、四季に併せて、unicef newsが届く。2025Autumn号が届いていた。読んでいると、戦争や飢餓、災害で悲惨な状況に置かれている各国の子どもたちの記事が載っていた。もっと寄付をしたいが・・・と思い、心が痛む。
その中で、レポートカード19(以下、RC19)の記事が掲載されていた。レポートカードとは、ユニセフ・イノチェンティ研究所が、先進国の子どもの状況を比較・分析するために、2000年から発表している報告書である。今年5月にRC19が発表された。
2020年9月に発表されたレポートカード16(以下、RC16)は、日本にとっては衝撃の内容であった。日本の子どもの身体的健康は1位であったが、精神的幸福度は38か国中37位のワースト2位という事だった。このことを記憶にとどめている方もおられるだろう。
さて、今回発表されたRC19である。今回は、RC16との比較で発表されている。以下が日本の結果である。unicef newsに掲載されている内容である。

ユニセフは、この結果について、次の3点を指摘している。
①身体的健康で1位を維持していることは、日本に並外れた能力と資源、適切に機能する制度があること。2018年以降、生活満足度が向上した唯一の国であり、基礎学力が向上した3か国の一つであること。
②ところが、若者(15~19歳)の自殺率は、2018年の10万人当たり7.4人から2022年には、10.4人に増加。
専門家である東京都立大学の阿部彩教授は、個別の指標に目を向けると、懸念が見つかるという。次のように指摘している。
「特に浮き彫りとなったのは、格差の拡大と底辺の子どもたちの状況です。自殺率や過体重・瘦身傾向の子どもの割合、低ESCS(社会経済文化的背景)の子どもの学力など、一番厳しい状況に置かれている子どもに対する支援をより強化する必要があります」
と語っている。今年度の全国学力学習調査でも低ESCSの家庭の子どもほど、学力の低下が著しかったことと合致している。格差の拡大というキーワードが、今後の教育政策で重要視されるだろう。国の政策も、平均的な家庭、子どもを焦点に充てているだけでは、すまされない事態である。
ユニセフ「レポートカード19」
https://www.unicef.or.jp/news/2025/0081.html
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