2023 年度立命館学校教育研究会秋季大会


 11月12日、標記のセミナーにオンラインで参加した。探究学習の分科会に参加した。報告者は立命館守山高校の田辺先生だが、どこかで聞いたぞと思って話を聞いていたら、何年か前の朝日新聞社主催のSDGsのセミナーで報告されていたことを思い出した。その時も、「この先生、すごいな・・・」と思った。当時、世界史や日本史の授業実践をされていたが、「SDGsのように、持続可能性を求めるような世界的な動きが出てきたのは、今まで持続可能ではなかったから。歴史を学ぶというのは、過去の持続不可能性を学び、何が問題なのかを学ぶため」と生徒に話をし、授業の内容が、SDGsのどの項目と関係するのかを明確にして実践されていた。今回は、その田辺先生が取り組まれている探究学習の実践報告だ。

 詳しい内容は避けたい。感心した点、勉強になった点を述べていきたい。
1.数年前まで、卒業論文として12、000字を、探究をテーマに書かせていた。ところが3年生ということもあり、探究に関する「課題の設定⇒情報収集⇒整理・分析⇒まとめ・表現」が1ターム、多くて2タームしかできなかった。そうすると、探究ではなく「調べ学習」の域を出なかったというのである。同じような経験をした。ある総合学科でも同じように3年生で課題レポートを書かせていたので、同じように調べ学習の域を出ないという現象が行っていた。どうすれば解決するか悩んでいたが、次のことが解答だった。
2.立命館守山高校では、1年探究学習の基礎⇒2年共創探究(チームで探究)⇒3年個人探究という流れにした。そうすることで、3年間で先の探究のサイクルを5ターム回すことができた。そうすると、2年の共創探究で設定したテーマが、如何にあやふやで的を得ていないものなのかがよくわかり、3年生の探究活動で調べ学習の域を出て、真に探究するようになる。
3.教師がよくやる悪しき例として、「お膳立てをする」ということがある。教師がいろいろと準備をし、その準備したレールを生徒が歩むというものである。これでは、探究しているのは教師で、生徒ではないという指摘は的を得ている。経験の浅い教師ほど、犯す過ちである。だから、基本的に立命館守山高校の探究学習は、一見放任に見えるということだ。しかし、生徒は失敗してこそ自らの課題に気づく。このことが大事だと田辺先生は言っておられれた。まさにその通りである。

私が、理想とする実践をすでにやっておられる田辺先生に敬意を表したい。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP