8月6日 ヒロシマ-9月21日「国際平和ディ」に大規模な行動を!


 8月6日、朝8時から78回目の広島の平和式典が開催された。今回は、111の国と地域から参加があり、過去最高らしい。この背景には、ウクライナ戦争での核使用の危機の高まりとともに、5月に行われたG7ヒロシマサミットの影響があると考えたい。G7の首脳がこぞってヒロシマの地を訪れ、平和資料館で原爆被害の実相に触れたことは、とても意義が大きかった。これが今回の最多の参加となっていると思う。世界がもう一度ヒロシマに注目した結果だろう。
 今回の式典で注目したのは、2点である。広島市の松井市長の「核抑止論は破綻している」と声を大にして述べたことである。即座に核廃絶はできない。力の論理が国際政治を支配している限り、核抑止論は大国を支配している。そのことをもって、ヒロシマサミットは失敗だったと断じた意見に私は、「否」と言った。それは、間違っていないと今でも思っている。しかし、核廃絶を目標とするヒロシマ・ナガサキの平和運動を進めるうえでは、やはり「核抑止論」に立脚してはダメである。いつまでも訴え続けなければならないのは、「核廃絶」なのである。この核廃絶の道で、日本がすぐにでもできることがあるし、日本こそしなければならないことがある。それは、自民党以外のすべての政党の党首が言及した「11月に開催される核兵器禁止条約の締結国会議にオブザーバー参加すること」である。すでにドイツは参加している。世界で唯一の被爆国である日本が参加しないでどうする!と言いたい。11月に向けて、締結国会議への参加を求める大規模な集会とデモを呼び掛けたいと思う。その日は、2023年9月21日「国際平和ディ」である。東京・名古屋・大阪・広島・長崎など、「核兵器廃絶、ロシアの核使用阻止、日本の核兵器禁止条約のオブザーバー参加を!」をスローガンに、党派を超えて大規模な行動を起こそうじゃないか!本当に核使用の危機は迫っている!
 注目した2点目は、国連事務総長の代読として中満泉氏が式典に出席したことである。中満氏は、国連事務次長のポストにあり、国連軍縮部門のトップの位置にある。私は、前職の附属中校長の時、「ノブレスオブリージュ」の考えに触れて、その代表的日本人として彼女を紹介した。今回の式典に彼女が出席していることを、私が紹介したことを聞いた当時の附属中生の何人がわかっただろう。「あ、あの人だ!」とわかった附属中生の人、世界の平和の最前線で戦う中満さんをもう一度、みんなに知らせてあげてほしいと思う。式典であいさつする中満氏の視線は、とても厳しかった。彼女の抱える使命の大きさと重さ、そして決意が伝わる視線だった。どうか、中満氏のあとを引き継ぐ中高生が出てくることを願っている。

 最後に、このヒロシマ平和式典、同じ時刻を共有した日本人はどれ位いただろう。何人が黙とうを捧げただろう。広島の地以外で、一度世情調査を行ってみてはどうだろうか。日本人の平和への意識、平和への貢献度がわかるような気がする。


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